学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ30P102

理由で解く 柔道整復師

QJ30P102 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問102
問題
外反母趾で誤っているのはどれか。
選択肢
1 第1MTP 関節が外反変形する。
2 足底板の挿入を指導する。
3 第2・3MTP関節底側に胼胝を形成する。
4 第5中足骨頭の外側にバニオンが生じる。
解答
正解4(第5中足骨頭の外側にバニオンが生じる。)
解説

バニオン(母趾滑液包炎)ができるのは第1中足骨頭の内側である。第5中足骨頭外側にできる同様の膨隆はバニオネットと呼ばれ、内反小趾でみられる別の病態である。

外反母趾は、第1中足骨が内反し、母趾基節骨が外反する変形で、その結果として第1中足骨頭の内側が内方へ突出する。突出部が靴に繰り返し当たると滑液包に炎症が起こり、発赤・腫脹・疼痛を伴うバニオンとなる。多くは横アーチの低下した開張足を伴い、荷重が第2・3中足骨頭に集中するため、その底側に胼胝ができて前足部痛の原因となる。保存療法では、横アーチを支える足底板、幅と深さに余裕があり足趾を圧迫しない靴の選択、母趾外転筋を意識した足趾の運動、夜間装具などを組み合わせる。関節可動域制限が強い例や疼痛が生活を妨げる例では、手術も選択肢になるため医師と連携する。

✓ 4. これが答え(誤っている記述)
第5中足骨頭の外側にバニオンが生じる。
外反母趾のバニオンは第1中足骨頭の内側にできる。第5中足骨頭外側に生じる膨隆は内反小趾に伴うもので、バニオネット(テーラーズバニオン)と呼び、外反母趾の所見ではない。両者が同時にあると足幅がさらに広がり、開張足の管理が重要になる。
✗ 1. 答えではない(正しい記述)
第1MTP 関節が外反変形する。
母趾基節骨が外側へ向く外反変形が本症の定義そのもので、外反母趾角(第1中足骨軸と基節骨軸のなす角)が20度以上を目安に判定する。中足骨側は逆に内反している点も押さえておく。
✗ 2. 答えではない(正しい指導)
足底板の挿入を指導する。
低下した横アーチを支える足底板は、第2・3中足骨頭への荷重集中を分散させ、疼痛と胼胝の軽減に働く。靴の選択や足趾の運動と併せて指導すると効果が高い。
✗ 3. 答えではない(正しい記述)
第2・3MTP関節底側に胼胝を形成する。
母趾で蹴り出せなくなり、開張足で横アーチが落ちると、第2・3中足骨頭の底側に荷重が集中して胼胝ができる。前足部痛の主因の一つで、削るだけでなく荷重分散を図ることが根本的な対応となる。
ポイント
  • 外反母趾=第1中足骨は内反、母趾基節骨は外反。第1中足骨頭内側が突出する。
  • バニオン=第1中足骨頭内側の滑液包炎。バニオネット=第5中足骨頭外側(内反小趾)。
  • 開張足を伴い、第2・3中足骨頭底側に胼胝ができる。
  • 対応は足底板による横アーチ支持、足に合う靴、足趾の運動、夜間装具。
  • 疼痛が生活を妨げる例、変形が高度な例は手術適応の判断のため医師へ。
比較表
項目外反母趾内反小趾
変形部位第1MTP関節(母趾が外反)第5MTP関節(小趾が内反)
突出部第1中足骨頭 内側第5中足骨頭 外側
滑液包炎の呼称バニオンバニオネット(テーラーズバニオン)
共通する背景開張足(横アーチ低下)、足に合わない靴
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