学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ30P076

理由で解く 柔道整復師

QJ30P076 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問76
問題
頭蓋底骨折で誤っているのはどれか。
選択肢
1 介達外力の発生が多い。
2 小児では陥凹骨折が多い。
3 眼窩周辺に皮下出血斑がみられる。
4 バトル徴候がみられる。
解答
正解2(小児では陥凹骨折が多い。)
解説

陥凹(陥没)骨折は頭蓋円蓋部(頭蓋冠)に生じる骨折型で、頭蓋底骨折の特徴として挙げるものではありません。したがって2が誤りで、これが答えになります。

頭蓋底骨折は、頭部への打撃が円蓋部から底部へ伝わる介達的な機序で生じることが多く、局所が直接凹む陥凹骨折とは成り立ちが異なります。小児は骨が薄く弾性に富むため円蓋部にピンポン球をへこませたような陥凹骨折を生じますが、これは頭蓋底の話ではありません。頭蓋底骨折の徴候は骨折した部位で分かれ、前頭蓋窩では眼窩周囲の皮下出血(ブラックアイ、いわゆるパンダの目)と髄液鼻漏、中頭蓋窩・後頭蓋窩では乳様突起部の皮下出血であるバトル徴候と髄液耳漏がみられます。いずれも受傷直後には現れず、数時間から1〜2日かけて出てくるため、その場で否定はできません。頭部外傷では意識レベル、瞳孔、鼻・耳からの流出液を確認し、速やかに医師へ引き継ぎます。

✓ 2. これが誤り(=答え)
小児では陥凹骨折が多い。
小児に円蓋部の陥凹骨折がみられること自体は事実ですが、それは頭蓋冠の骨折型であって、頭蓋底骨折の特徴には当てはまりません。設問は頭蓋底骨折について問うているため、この記述が答えになります。
✗ 1. 正しい記述(=答えではない)
介達外力の発生が多い。
円蓋部に加わった打撃や、転落時に脊柱から突き上げる力が頭蓋底へ伝わって骨折します。受傷部位と骨折部位が離れることがある点が特徴です。
✗ 3. 正しい記述(=答えではない)
眼窩周辺に皮下出血斑がみられる。
前頭蓋窩の骨折で出血が眼窩内へ回り、両眼周囲が黒紫色になるブラックアイ(パンダの目徴候)となります。髄液鼻漏を伴うことがあり、鼻をかまないよう伝えて医師へ引き継ぎます。
✗ 4. 正しい記述(=答えではない)
バトル徴候がみられる。
中頭蓋窩・後頭蓋窩の骨折で、乳様突起部(耳介後方)に皮下出血が現れるものです。髄液耳漏を伴うことがあり、遅れて出現するため経過観察が欠かせません。
ポイント
  • 陥凹(陥没)骨折は頭蓋円蓋部の骨折型。頭蓋底骨折の特徴ではない
  • 頭蓋底骨折は介達外力で生じることが多く、受傷部位と骨折部位が離れうる
  • 前頭蓋窩→眼窩周囲の皮下出血(ブラックアイ)+髄液鼻漏
  • 中・後頭蓋窩→乳様突起部の皮下出血(バトル徴候)+髄液耳漏
  • 皮下出血は受傷直後には出ず数時間〜1〜2日で現れる。その場で否定せず経過観察と医師への引き継ぎを行う
比較表
骨折部位皮下出血の部位髄液漏
前頭蓋窩眼窩周囲(ブラックアイ)髄液鼻漏
中頭蓋窩・後頭蓋窩乳様突起部(バトル徴候)髄液耳漏
円蓋部(参考)受傷局所通常なし(陥凹骨折・線状骨折)
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