学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §13 主要な疾患 呼吸器疾患 / QJ30P033

理由で解く 柔道整復師

QJ30P033 一般臨床医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問33
問題
気管支喘息で正しいのはどれか。
選択肢
1 IgA抗体が上昇する。
2 気道狭窄は不可逆性である。
3 発作時には呼気延長がある。
4 日中に発作を起こしやすい。
解答
正解3(発作時には呼気延長がある。)
解説

気管支喘息の発作では、息を吐くときに気道がつぶれやすくなるため呼気が延長し、笛のような喘鳴を伴う呼気性呼吸困難となります。

喘息は気道の慢性の好酸球性炎症を基盤に、気道過敏性が亢進して発作性の気流制限を起こす疾患です。アトピー型ではダニやハウスダストなどの吸入抗原にIgE抗体が結合し、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンが放出されるI型アレルギーが発作の引き金になります。呼気時は胸腔内圧が陽圧になるため、炎症と分泌物で狭くなった末梢気道はさらに虚脱しやすく、息を吐き切るのに時間がかかります。これが呼気延長と笛声喘鳴(wheeze)の理由です。気流制限は治療や自然経過で改善する可逆性が特徴で、この点が不可逆性のCOPDとの決定的な違いになります。また発作は夜間から早朝に多く、副交感神経が優位になること、内因性コルチゾールが低下すること、気道径に日内変動があることが背景にあります。

✓ 3. 正しい
発作時には呼気延長がある。
狭くなった気道は呼気時にさらにつぶれやすいため、息を吐くのに時間がかかります。呼気延長と笛声喘鳴を伴う呼気性呼吸困難が発作時の典型像です。
✗ 1. 誤り
IgA抗体が上昇する。
アトピー型喘息で関与するのはIgE抗体です。IgEが肥満細胞に結合したところへ抗原が結合すると脱顆粒が起こる、I型アレルギーの機序です。
✗ 2. 誤り
気道狭窄は不可逆性である。
喘息の気流制限は可逆性であることが定義上の特徴です。不可逆性の気流制限を示すのはCOPDで、ここが両者の鑑別点になります。
✗ 4. 誤り
日中に発作を起こしやすい。
発作は夜間から早朝に起こりやすいのが特徴です。副交感神経の優位、コルチゾール分泌の低下、気道径の日内変動が関与します。
ポイント
  • 喘息=可逆性の気流制限+気道過敏性+慢性好酸球性炎症。可逆性がCOPDとの違い。
  • アトピー型に関与する抗体はIgE(I型アレルギー)。
  • 発作時は呼気延長と笛声喘鳴を伴う呼気性呼吸困難。起座呼吸をとることが多い。
  • 発作の好発時間帯は夜間から早朝。問診では発作の起こる時刻と誘因を必ず確認する。
  • 会話が途切れる、起座呼吸、チアノーゼがあれば重症発作。施術は行わず、吸入薬の使用を確認したうえで救急要請につなげる。
比較表
気管支喘息COPD
気流制限可逆性不可逆性
炎症の主役好酸球、IgE好中球、マクロファージ
症状の出方発作性、夜間・早朝に多い労作時呼吸困難が持続的に進行
主な原因アレルゲン、気道過敏性喫煙
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