学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ30P016

理由で解く 柔道整復師

QJ30P016 リハビリテーション医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問16
問題
他動的に関節を動かした際、全可動域で抵抗感があるが運動は容易であった。痙縮の程度を評価するアッシュワーススケールで正しいのはどれか。
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
解答
正解2
解説

「可動域のほぼ全体で抵抗があるが、他動運動は容易」に一致するのはグレード2。正答は2。

痙縮は速度依存性の筋緊張亢進で、他動的に関節を動かしたときに抵抗がどこでどれだけ出るかで段階づける。アッシュワーススケールには原法(1〜5の5段階)と修正版(0、1、1+、2、3、4)があり、本問の選択肢と正答は修正版の段階に対応している。0は筋緊張の亢進なし、1は動かし始めに引っかかり(catch)が出てすぐ消える、あるいは可動域の終わりでわずかな抵抗が出る程度、1+は引っかかりに続いて可動域の半分未満に軽い抵抗が残る、2は可動域のほとんどで抵抗があるものの四肢は容易に動かせる、3は明らかな筋緊張亢進で他動運動が困難、4は硬直して屈伸できない。本問は「全可動域で抵抗がある」と「運動は容易」の二条件を同時に満たすので2となる。評価は毎回同じ肢位・同じ速度で行い、記録には評価した関節と運動方向(例:肘屈筋群)も必ず併記して、経過を比較できるようにする。

✓ 2. 正しい
2
可動域の大部分にわたって抵抗を感じるが、四肢は容易に動かせるという状態がグレード2の定義そのものである。設問の「全可動域で抵抗感があるが運動は容易」に一致するので正答となる。
✗ 1. 誤り
1
グレード1は、動かし始めに引っかかりがあってすぐ消える、または可動域の終わりでわずかに抵抗が出る程度にとどまる。抵抗が可動域全体に及んでいる本問の状態より軽く、条件に合わない。
✗ 3. 誤り
3
グレード3は筋緊張亢進が明らかで、他動運動そのものが困難になる段階である。設問には「運動は容易であった」と明記されているため矛盾する。
✗ 4. 誤り
4
グレード4は患部が硬直し、屈曲も伸展もできない最も重い段階である。他動運動が容易な本問の状態とはかけ離れており、当てはまらない。
ポイント
  • 修正アッシュワーススケールは0、1、1+、2、3、4の6段階(原法は1〜5の5段階)
  • 判定の軸は「抵抗が可動域のどこまで及ぶか」と「他動運動が容易か困難か」の2つ
  • 2=可動域のほとんどで抵抗、しかし容易に動く/3=他動運動が困難/4=硬直
  • 痙縮は速度依存性。素早く動かすほど抵抗が強く出るので、評価速度をそろえる
  • 記録には関節名と運動方向を併記し、同一条件で経時比較する
比較表
グレード(修正版)他動運動での所見
0筋緊張の亢進なし
1わずかな亢進。引っかかりとその消失、または可動域終わりでのわずかな抵抗
1+わずかな亢進。引っかかりに続き、可動域の1/2未満に軽い抵抗が残る
2よりはっきりした亢進。可動域のほとんどで抵抗があるが、容易に動かせる
3かなりの亢進。他動運動が困難
4患部は硬直し、屈曲・伸展ができない
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