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理由で解く 柔道整復師

QJ30A116 病理学概論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問116
問題
疾病の経過で自覚症状が認められない時期はどれか。
選択肢
1 急性期
2 最盛期
3 慢性期
4 潜伏期
解答
正解4(潜伏期)
解説

疾病は「潜伏期 → 前駆期 → 最盛期(極期)→ 回復期 → 転帰」と進む。このうち病因はすでに働いているのに自覚症状がまだ出ていない時期が潜伏期で、正解は4。

病原体が体内に入っても、増殖して組織を傷害する量に達するまでは症状として表に出ない。この「病因は作用中、症状はゼロ」という時間帯が潜伏期(感染症では incubation period)である。潜伏期の長さは病因ごとにほぼ決まっており、インフルエンザの1〜数日からHIVの年単位まで幅がある。感染症では潜伏期の後半からすでに排菌・排ウイルスが起こることがあり、本人に自覚がないまま感染源になり得る点が公衆衛生上の要点である。潜伏期の次には、だるさや微熱といった疾患に特徴的でない症状が出る前駆期が続き、その後に典型的な症状がそろう最盛期に至る。したがって「無症状」と言い切れるのは潜伏期だけと整理して覚えるとよい。

✓ 4. 正しい
潜伏期
病因(病原体や有害因子)はすでに作用を始めているが、傷害が症状として現れる水準に達していないため自覚症状がない。経過のいちばん最初に置かれる時期である。
✗ 1. 誤り
急性期
症状が急速に立ち上がってくる時期を指す。発熱・疼痛・腫脹などがはっきり自覚される段階なので、無症状の時期ではない。
✗ 2. 誤り
最盛期
その疾患らしい症状がそろい、程度も最も強くなる時期(極期)。自覚症状が最大になる段階である。
✗ 3. 誤り
慢性期
症状が長期にわたって続く時期。程度は軽くなっても症状そのものは残るため、無症状とは区別する。
ポイント
  • 経過の順序は「潜伏期 → 前駆期 → 最盛期(極期)→ 回復期 → 転帰(治癒・後遺症・死亡)」。
  • 潜伏期=病因はすでに作用しているが自覚症状がない時期。無症状と言えるのはここだけ。
  • 前駆期は倦怠感・微熱など非特異的な症状が出るので「無症状」ではない。
  • 感染症では潜伏期でも感染力を持つことがあり、感染拡大の起点になる。
  • 急性期・慢性期は「経過の速さ」による分け方で、潜伏期のような「時期の順番」とは軸が違う。
比較表
時期自覚症状特徴
潜伏期なし病因はすでに作用中。感染症では排菌していることもある
前駆期軽い・非特異的倦怠感、微熱、食欲低下など
最盛期(極期)最も強いその疾患に特徴的な症状がそろう
回復期軽減していく転帰(治癒・後遺症・死亡)へ向かう
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