学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §7 運動発達 / QJ30A115

理由で解く 柔道整復師

QJ30A115 運動学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問115
問題
ニューロンの髄鞘化が最も早く終了するのはどれか。
選択肢
1 小脳
2 網様体
3 感覚神経根
4 運動神経根
解答
正解4(運動神経根)
解説

神経線維の髄鞘化は「系統発生的に古く、早く必要になる系から順に進む」という規則性があり、脊髄の運動神経根が最も早く完了します。網様体や大脳の連合線維は最も遅くまでかかります。

髄鞘化は胎生中期に始まり、部位によっては生後から思春期以降まで続く長い過程です。脊髄前根(運動神経根)は胎生5か月ごろから髄鞘化が始まり、出生前後にはほぼ完了します。後根(感覚神経根)は前根よりやや遅れ、続いて脊髄内の上行路・下行路、次いで小脳、最後に網様体や大脳の連合線維がゆっくり成熟していきます。錐体路の髄鞘化が生後1〜2年をかけて進むことは、この時期に随意運動が急速に上達すること、そして乳児期にはバビンスキー反射が陽性でも生理的であることと結びついています。髄鞘があると跳躍伝導が成立して伝導速度が跳ね上がるので、「髄鞘化が進む=その機能が使えるようになる」と読み替えると、発達運動学の問題全体が理解しやすくなります。

✗ 1. 誤り
小脳
髄鞘化は主に生後に進み、乳幼児期の運動の協調が育つ時期に対応します。運動神経根よりかなり遅い部位です。
✗ 2. 誤り
網様体
髄鞘化が最も遅い部類に入り、成熟には長い年月を要します。大脳の連合線維も同様に遅く、思春期以降まで続きます。
✗ 3. 誤り
感覚神経根
脊髄後根も胎生期の早い時期に髄鞘化する部位ですが、前根(運動神経根)よりやや遅れて完了します。「最も早く」には当たりません。
✓ 4. 正しい
運動神経根
脊髄前根は胎生5か月ごろから髄鞘化が始まり、選択肢の中で最も早く完了します。生存に直結する運動出力の経路が最優先で整えられる、という原則どおりです。
ポイント
  • 髄鞘化が最も早いのは運動神経根(脊髄前根、胎生5か月ごろ開始)、次いで感覚神経根(後根)
  • 小脳は主に生後、網様体・大脳連合線維は最も遅く思春期以降まで続く
  • 原則は「系統発生的に古く、早く必要になる系ほど先に髄鞘化する」
  • 錐体路の髄鞘化は生後1〜2年かけて進み、随意運動の発達と対応する(乳児のバビンスキー反射陽性は生理的)
  • 髄鞘があると跳躍伝導が成立し、伝導速度が大きくなる
比較表
部位髄鞘化の時期対応する機能
運動神経根(脊髄前根)胎生5か月ごろ〜、最も早く完了胎動・出生直後の運動出力
感覚神経根(脊髄後根)前根よりやや遅れる感覚入力
錐体路生後1〜2年かけて進む随意運動の発達
小脳主に生後運動の協調・平衡
網様体・大脳連合線維最も遅い(思春期以降まで)覚醒調節・高次連合機能
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。