学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §5 消化と吸収 / QJ30A100

理由で解く 柔道整復師

QJ30A100 生理学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問100
問題
消化酵素で正しいのはどれか。
選択肢
1 アミラーゼは脂質を分解する。
2 リパーゼは炭水化物を分解する。
3 トリプシンは炭水化物を分解する。
4 ペプチダーゼはタンパク質を分解する。
解答
正解4(ペプチダーゼはタンパク質を分解する。)
解説

酵素の名前は「基質+ -アーゼ」でできています。ペプチダーゼはペプチド(タンパク質)を分解するので、正しいのは 4 です。

アミラーゼは唾液腺と膵臓から分泌され、デンプンなどの多糖を麦芽糖やデキストリンに分解します。リパーゼは膵臓から出て、胆汁酸で乳化された中性脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解します。タンパク質は胃でペプシン(ペプシノゲンが胃酸で活性化)により、小腸で膵液のトリプシン・キモトリプシンによりポリペプチドまで分解され、最後は小腸上皮の刷子縁にあるアミノペプチダーゼやジペプチダーゼでアミノ酸まで分解されて吸収されます。同様に糖質も刷子縁のマルターゼ・スクラーゼ・ラクターゼで単糖にまで分解されます。名前の頭が「アミロ=デンプン」「リポ=脂質」「ペプチド=タンパク質」を指すと知っていれば、この種の問題は暗記に頼らず解けます。

✓ 4. 正しい
ペプチダーゼはタンパク質を分解する。
ペプチド結合を切る酵素の総称で、小腸刷子縁のアミノペプチダーゼやジペプチダーゼが最終的にアミノ酸まで分解します。名前がそのまま基質を示している好例です。
✗ 1. 誤り
アミラーゼは脂質を分解する。
アミラーゼが分解するのは炭水化物(デンプン)です。唾液アミラーゼが口腔内でデンプンの消化を始め、膵アミラーゼが小腸で続きを担います。
✗ 2. 誤り
リパーゼは炭水化物を分解する。
リパーゼは脂質(中性脂肪)を分解する酵素です。胆汁酸によって脂肪が微細な粒に乳化され、表面積が増えることで効率よく働きます。
✗ 3. 誤り
トリプシンは炭水化物を分解する。
トリプシンは膵液に含まれるタンパク質分解酵素です。前駆体のトリプシノゲンが腸液のエンテロキナーゼで活性化され、さらに他の膵酵素前駆体も活性化します。
ポイント
  • 酵素名は「基質+-アーゼ」。アミロ=デンプン、リポ=脂質、ペプチド=タンパク質。
  • 糖質:唾液・膵アミラーゼ → 刷子縁のマルターゼ・スクラーゼ・ラクターゼ → 単糖。
  • タンパク質:ペプシン(胃)→ トリプシン・キモトリプシン(膵)→ ペプチダーゼ → アミノ酸。
  • 脂質:胆汁酸で乳化 → 膵リパーゼ → 脂肪酸+モノグリセリド → ミセルとして吸収。
  • 膵の蛋白分解酵素は不活性な前駆体で分泌され、腸で活性化されて自己消化を防ぐ。
比較表
栄養素主な酵素分泌部位最終産物
炭水化物アミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼ唾液腺・膵臓・小腸刷子縁単糖(グルコースなど)
タンパク質ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、ペプチダーゼ胃・膵臓・小腸刷子縁アミノ酸
脂質リパーゼ(+胆汁酸による乳化)膵臓(胆汁は肝臓)脂肪酸+モノグリセリド
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