学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §11 体表解剖 / QJ30A080

理由で解く 柔道整復師

QJ30A080 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問80
問題
エックス線CT 値が最も高いのはどれか。
選択肢
1 血液
2 脂肪
3 緻密質
4 脳髄質
解答
正解3(緻密質)
解説

CT値が最も高いのはX線をよく吸収する組織で、4肢の中では骨の緻密質である。正答は3。

CT値はハンスフィールド単位(HU)で表される相対値で、水を0、空気を−1000と定め、その組織のX線吸収の強さに比例して増減する。吸収は主に物理密度と実効原子番号で決まり、カルシウムを豊富に含む骨は群を抜いて高い。目安としては、空気−1000、脂肪−100〜−50、水0、脳白質(髄質)およそ20〜30、脳灰白質30〜40、血液40〜60(凝血塊は60〜90)、骨の緻密質はおよそ1000前後(部位により1000を大きく超える)となる。画像では高吸収ほど白く、低吸収ほど黒く描かれるので、頭部CTで真っ白に抜ける頭蓋骨と、真っ黒に見える眼窩内脂肪や皮下脂肪を思い浮かべれば順位を再現できる。骨でも海綿質は骨梁の間に脂肪髄・造血髄を含むためCT値は緻密質よりかなり低く、「骨=一律に高い」ではなく緻密質が最高、と押さえるのが大切である。

✓ 3. 正しい
緻密質
緻密質はハイドロキシアパタイト(カルシウム)が密に詰まっており、実効原子番号も密度も他の軟部組織より格段に高いためX線をよく吸収する。CT値はおよそ1000前後に達し、画像上は真っ白に描出される。CT値の順位を問われたら、まず骨があるかどうかを確認すれば最上位は即決できる。
✗ 1. 誤り
血液
血液のCT値はおよそ40〜60 HUで、4肢の中では2番目に高い。凝血塊は赤血球が濃縮して60〜90 HU程度となり、脳実質より高吸収に(白く)見えるため急性期の頭蓋内出血が単純CTで診断できる。それでも緻密質とは一桁違うことを押さえたい。
✗ 2. 誤り
脂肪
脂肪は水より密度が低く、CT値は−100〜−50 HU程度で負の値をとる。4肢の中では最も低く、画像では黒く見える。「最も高いのはどれか」と「最も低いのはどれか」はどちらも問われるので、脂肪が下限側の代表であることも合わせて覚えておく。
✗ 4. 誤り
脳髄質
脳の髄質(白質)はCT値およそ20〜30 HUで、灰白質(30〜40 HU)よりわずかに低い。髄鞘の脂質成分が多い分だけ吸収が小さくなるためで、この10 HU程度の差が単純CTでの灰白質・白質の境界として見えている。軟部組織はいずれも0〜60 HUの狭い範囲に収まる、と覚えると位置づけやすい。
ポイント
  • CT値(HU)は水=0、空気=−1000を基準にした相対値。X線吸収が強いほど高く、画像では白い。
  • 本問の順位は、緻密質(約1000)>血液(40〜60)>脳髄質(20〜30)>脂肪(−100〜−50)。
  • 骨でも海綿質は脂肪髄・造血髄を含むため緻密質よりかなり低い。「骨=一律に高い」としない。
  • 脳の灰白質(30〜40)は白質(20〜30)よりやや高い。この差が単純CTでの皮質と髄質の見分けになる。
  • 凝血塊は60〜90 HUで脳実質より高吸収。急性期の頭蓋内出血が単純CTで白く写る理由。
比較表
組織CT値の目安(HU)画像での見え方
骨の緻密質およそ1000前後(部位によりさらに高い)真っ白
凝血塊60〜90やや白い
血液40〜60やや白い
脳灰白質30〜40灰色(白質よりやや白い)
脳髄質(白質)20〜30灰色
0暗い灰色
脂肪−100〜−50黒い
空気−1000真っ黒
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