学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §10 感覚器系 / QJ30A077

理由で解く 柔道整復師

QJ30A077 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問77
問題
皮脂腺はどれか。
選択肢
1 耳下腺
2 顎下腺
3 乳腺
4 前立腺
解答
正解3(乳腺)
解説

【本問についての注意】この設問は皮膚に由来する腺(皮膚腺)を選ばせる趣旨で、資料の設問文にある「皮脂腺」は「皮膚腺」の読み取り揺れと考えられる。皮脂腺・汗腺・乳腺はいずれも皮膚腺であり、4肢のうち皮膚腺に属するのは乳腺だけである。正答は3。

皮膚腺は外胚葉性の表皮が真皮内へ落ち込んでできた腺の総称で、汗腺(エクリン汗腺・アポクリン汗腺)、毛包に付属する皮脂腺、そしてアポクリン汗腺が特殊に分化した乳腺の3群からなる。皮脂腺は分泌細胞が丸ごと崩れて分泌物になる全分泌(ホロクリン)、アポクリン汗腺と授乳期の乳腺は細胞の頂部がちぎれる離出分泌(アポクリン分泌)、エクリン汗腺は細胞を壊さない開口分泌(エクリン分泌)と、分泌のしかたで整理できる。これに対し耳下腺・顎下腺は口腔に導管を開く大唾液腺であり、発生学的には口窩の上皮由来で消化腺に分類される。前立腺は尿道を取り囲む男性生殖器の付属腺で、尿生殖洞の上皮に由来する。「どこに導管を開くか(皮膚か、口腔か、尿道か)」を確認すれば所属はすぐ決まる。

✓ 3. 正しい
乳腺
乳腺はアポクリン汗腺が変化した皮膚腺で、皮膚の付属器として扱われる。15〜20の乳腺葉からなり、乳管洞を経て乳管が乳頭に開く。授乳期には脂肪滴を離出分泌、乳タンパクを開口分泌で放出する。導管が皮膚の表面(乳頭)に開くという点が、皮膚腺であることの決め手になる。
✗ 1. 誤り
耳下腺
最大の大唾液腺で純漿液腺。耳下腺管は咬筋の上を前走し、上顎第2大臼歯に対する頬粘膜(耳下腺乳頭)に開く。腺実質を顔面神経が貫き、分泌は舌咽神経→耳神経節が支配する。導管が口腔に開くので消化腺であり、皮膚腺ではない。
✗ 2. 誤り
顎下腺
漿液優位の混合腺で、顎下腺管が舌下小丘に開く大唾液腺である。分泌は顔面神経(鼓索神経)→顎下神経節が支配する。耳下腺と同じく口腔に開く消化腺として整理する。
✗ 4. 誤り
前立腺
膀胱の下で尿道起始部を取り囲む男性生殖器の付属腺で、弱アルカリ性で乳白色の分泌液を精液に加える。導管は前立腺部尿道に開く。名称に「腺」が付く器官は多いので、開口部と由来をセットで確認する習慣をつけたい。
ポイント
  • 皮膚腺は3群。汗腺(エクリン/アポクリン)、皮脂腺、乳腺。乳腺はアポクリン汗腺が分化したもの。
  • 分泌様式:皮脂腺=全分泌(ホロクリン)、アポクリン汗腺・授乳期乳腺=離出分泌、エクリン汗腺=開口分泌。
  • 耳下腺(純漿液腺、耳下腺乳頭に開口)と顎下腺(混合腺、舌下小丘に開口)は大唾液腺=消化腺。
  • 前立腺は尿道に開く男性生殖器の付属腺。
  • 腺の所属は「導管がどこに開くか」で判定する。皮膚の表面に開けば皮膚腺、口腔なら消化腺、尿道なら生殖器付属腺。
比較表
分類導管の開口部分泌の特徴
乳腺皮膚腺(アポクリン汗腺由来)乳頭(皮膚表面)離出分泌+開口分泌で乳汁を出す
皮脂腺皮膚腺毛包(一部は皮膚表面)全分泌(細胞ごと崩れる)
耳下腺大唾液腺(消化腺)上顎第2大臼歯対側の頬粘膜純漿液性、さらさらした唾液
顎下腺大唾液腺(消化腺)舌下小丘混合腺(漿液優位)
前立腺男性生殖器の付属腺前立腺部尿道乳白色・弱アルカリ性の分泌液
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