学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ30A075

理由で解く 柔道整復師

QJ30A075 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問75
問題
仙骨神経由来はどれか。
選択肢
1 陰部大腿神経
2 外側大腿皮神経
3 後大腿皮神経
4 大腿神経
解答
正解3(後大腿皮神経)
解説

後大腿皮神経はS1〜S3を主とする仙骨神経叢の枝である。正答は3。

下肢の神経は腰神経叢(T12〜L4)と仙骨神経叢(L4〜S4)に分かれ、両者は腰仙骨神経幹でつながる。腰神経叢の枝は腸骨下腹神経・腸骨鼠径神経・陰部大腿神経・外側大腿皮神経・大腿神経・閉鎖神経で、大腰筋の外側縁や前面から出て鼠径部から大腿の前面・内側へ向かう。仙骨神経叢の枝は上殿神経・下殿神経・後大腿皮神経・坐骨神経(脛骨神経+総腓骨神経)・陰部神経で、大坐骨孔を通って殿部から大腿の後面へ向かう。つまり「大腿の前面・内側は腰神経叢、殿部・大腿後面・下腿以下は仙骨神経叢」という分布のすみ分けを押さえれば、髄節を丸暗記しなくても由来を推定できる。後大腿皮神経は梨状筋下孔から骨盤外へ出て大殿筋下縁をくぐり、下殿皮神経と会陰枝を分けながら大腿後面の皮膚に分布する。

✓ 3. 正しい
後大腿皮神経
S1〜S3由来の仙骨神経叢の枝で、坐骨神経と並んで梨状筋下孔を通る。大腿後面から膝窩に至る皮膚知覚を担当し、枝の下殿皮神経は殿部下部(殿溝付近)の知覚を担う。「大腿後面の皮膚=仙骨神経叢」と分布から逆算できる。
✗ 1. 誤り
陰部大腿神経
L1〜L2由来の腰神経叢の枝である。大腰筋前面を貫いて下り、大腿枝は鼠径靱帯の下をくぐって大腿三角部の皮膚へ、陰部枝は鼠径管を通って挙睾筋と陰嚢(大陰唇)の皮膚へ向かう。挙睾筋反射の求心路・遠心路として名前が出るので、腰神経叢の枝として整理しておきたい。
✗ 2. 誤り
外側大腿皮神経
L2〜L3由来の腰神経叢の枝で、上前腸骨棘の内下方で鼠径靱帯の下を通り大腿外側面の皮膚に分布する。同じ「大腿の皮神経」でも前外側は腰神経叢、後面は仙骨神経叢と対にして覚える。この部位の絞扼では大腿外側のしびれ・灼熱感(知覚異常性大腿痛)が生じるため、ベルトや装具の圧迫を確認するとよい。
✗ 4. 誤り
大腿神経
L2〜L4由来で腰神経叢最大の枝である。筋裂孔を通って腸腰筋・縫工筋・大腿四頭筋を支配し、伏在神経として下腿内側から足の内側縁の皮膚に分布する。膝蓋腱反射の求心路・遠心路でもある。大腿前面の運動と知覚は腰神経叢、と押さえる。
ポイント
  • 後大腿皮神経=S1〜S3、仙骨神経叢の枝。梨状筋下孔を通り大腿後面の皮膚に分布する。
  • 腰神経叢(T12〜L4)の枝:腸骨下腹・腸骨鼠径・陰部大腿・外側大腿皮・大腿・閉鎖の各神経。
  • 仙骨神経叢(L4〜S4)の枝:上殿・下殿・後大腿皮・坐骨(脛骨+総腓骨)・陰部の各神経。
  • 分布で覚える。大腿の前面・内側=腰神経叢、殿部・大腿後面・下腿以下=仙骨神経叢。
  • 「大腿」と付く神経でも、後大腿皮神経だけは仙骨神経叢。名前の前後(前外側か後方か)で由来を確認する。
比較表
神経由来する叢髄節主な分布
後大腿皮神経仙骨神経叢S1〜S3大腿後面・膝窩の皮膚、殿部下部(下殿皮神経)
陰部大腿神経腰神経叢L1〜L2挙睾筋、大腿三角部・陰嚢(大陰唇)の皮膚
外側大腿皮神経腰神経叢L2〜L3大腿外側面の皮膚
大腿神経腰神経叢L2〜L4腸腰筋・縫工筋・大腿四頭筋、大腿前面〜下腿内側の皮膚
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