学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ30A071

理由で解く 柔道整復師

QJ30A071 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問71
問題
意識にのぼる深部感覚の伝導路はどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
解答
正解1
解説

意識にのぼる深部感覚(位置覚・振動覚)を運ぶのは後索‐内側毛帯路である。図では1に示された経路がこれにあたる。

後索‐内側毛帯路は、筋紡錘・腱・関節包・パチニ小体からの情報を伝える。一次ニューロンは後根から入ってニューロンを換えずに同側の後索を上行し(下半身は薄束、上半身は楔状束)、延髄の薄束核・楔状束核でシナプスを結ぶ。二次ニューロンは延髄で正中を越えて交叉し(内側毛帯交叉)、内側毛帯として上行して視床の後外側腹側核(VPL)に至り、三次ニューロンが内包後脚を通って中心後回の体性感覚野へ投射する。「同側後索を上行し、延髄で交叉する」がこの路の指紋で、脊髄内で交叉する脊髄視床路と対で覚えると障害部位の判定が速い。なお深部感覚のうち意識にのぼらないもの(筋の張力など小脳へ送られる情報)は脊髄小脳路が運び、大脳皮質には届かない。

✓ 1. 正しい
1
図中の1で示された経路が後索‐内側毛帯路にあたる。同側の後索を上行 → 延髄の後索核でニューロンを換える → 内側毛帯交叉 → 視床VPL → 中心後回、という3ニューロン性の走行が、意識にのぼる深部感覚(および識別性触覚)の伝導路である。
✗ 2. 誤り
2
図中の2は後索‐内側毛帯路以外の経路を示している。識別のポイントは交叉の高さで、脊髄に入ってすぐ(白交連で)交叉し反対側を上行する経路は脊髄視床路であり、温度覚・痛覚(外側)や粗大な触圧覚(前)を運ぶ。深部感覚は運ばない。
✗ 3. 誤り
3
図中の3も後索‐内側毛帯路ではない。終着点に注目するのが識別のこつで、小脳へ向かう経路(脊髄小脳路)は意識にのぼらない深部感覚を運び、大脳皮質に達しないため位置覚の自覚には関与しない。
✗ 4. 誤り
4
図中の4も該当しない。矢印の向きが上行か下行かを見ることが識別の助けになる。大脳皮質から脊髄前角へ下行する経路(皮質脊髄路)は運動の指令路であり、感覚情報は伝えない。
ポイント
  • 意識にのぼる深部感覚=後索‐内側毛帯路(薄束・楔状束 → 後索核 → 内側毛帯交叉 → 視床VPL → 中心後回)。
  • 交叉は延髄。脊髄視床路(脊髄内で交叉)との違いはここ。
  • 下半身は薄束(内側)、上半身は楔状束(外側)を上行する。
  • 意識にのぼらない深部感覚は脊髄小脳路が小脳へ運ぶ。
  • 脊髄半側切断(ブラウン・セカール症候群)では、深部感覚は同側、温痛覚は反対側で障害される。
比較表
伝導路運ぶ感覚交叉の位置終着
後索‐内側毛帯路意識にのぼる深部感覚、識別性触覚延髄(内側毛帯交叉)中心後回
外側脊髄視床路温度覚・痛覚脊髄(入った1〜2髄節上で)中心後回
前脊髄視床路粗大な触覚・圧覚脊髄中心後回
脊髄小脳路意識にのぼらない深部感覚後路は交叉せず/前路は二重交叉小脳
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