学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §4 消化器系 / QJ30A062

理由で解く 柔道整復師

QJ30A062 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問62
問題
十二指腸で胆汁が分泌されるのはどこか。
選択肢
1 上部
2 下行部
3 水平部
4 上行部
解答
正解2(下行部)
解説

総胆管は主膵管と合流して大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開き、この乳頭は十二指腸下行部の後内側壁にあります。

十二指腸はCの字を描いて膵頭を抱え、上部・下行部・水平部・上行部の4部に分けられます。肝臓でつくられた胆汁は、まず左右の肝管から総肝管へ集まります。食間には総胆管の出口が閉じているため、胆汁は胆嚢管を通って胆嚢へ入り、そこで濃縮されます。放出されるときは逆に胆嚢管を下って総胆管に合流し、膵頭の中で主膵管と合わさって肝膵膨大部をつくり、オッディ括約筋(肝膵膨大部括約筋)を経て大十二指腸乳頭から下行部へ注ぎます。つまり総肝管は左右肝管の合流部から胆嚢管が合流するまでの区間であり、胆嚢から出た胆汁は総肝管ではなく胆嚢管を通る点に注意が必要です。そのやや上方には副膵管が開く小十二指腸乳頭があります。脂肪を含む食物が十二指腸に達すると、粘膜からコレシストキニンが分泌されて胆嚢を収縮させ、同時に括約筋をゆるめて胆汁が流れ出ます。「胆汁と膵液の出口は下行部」と場所で覚えたうえで、その手前にある管の順序と調節のしくみまでたどれると、消化器の問題全般に応用が利きます。

✓ 2. 正しい
下行部
大十二指腸乳頭が下行部の後内側壁にあり、ここから胆汁と膵液が流れ出ます。少し上方には副膵管が開く小十二指腸乳頭も見られます。
✗ 1. 誤り
上部
幽門に続く部分で、内面が滑らかな球部を含みます。潰瘍の好発部位として重要ですが、胆汁の開口部はありません。
✗ 3. 誤り
水平部
腹大動脈と上腸間膜動脈にはさまれて左方へ走る部分です。開口部はなく、この位置関係が強調されると上腸間膜動脈症候群の話につながります。
✗ 4. 誤り
上行部
第2腰椎の左側へ上がり、十二指腸空腸曲で空腸に移行する部分です。トライツ靱帯(十二指腸提筋)がここを後腹壁に固定しています。
ポイント
  • 胆汁と膵液は大十二指腸乳頭(下行部の後内側壁)から流出する。
  • 胆道の区分:左右の肝管→総肝管→(胆嚢管が合流)→総胆管。胆嚢は胆嚢管を介して胆汁を出し入れするので、胆嚢から出た胆汁は総肝管を通らない。
  • 経路は総胆管+主膵管→肝膵膨大部→オッディ括約筋→大十二指腸乳頭。
  • 副膵管は小十二指腸乳頭に開き、大乳頭のやや上方に位置する。
  • 十二指腸は上部の始まりを除いて後腹膜に固定されている。
  • 大十二指腸乳頭を境に、口側は腹腔動脈系、肛門側は上腸間膜動脈系という血流の境がある。発生学的な前腸・中腸の境に一致する。
比較表
十二指腸の部位特徴
上部幽門に続く。球部を含み潰瘍の好発部位
下行部大十二指腸乳頭・小十二指腸乳頭が開く
水平部腹大動脈と上腸間膜動脈にはさまれる
上行部十二指腸空腸曲でトライツ靱帯に固定される
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