学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §6 柔道整復師と国民医療費 / QJ30A005

理由で解く 柔道整復師

QJ30A005 必修問題

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問5
問題
療養費の受領委任を取扱う「施術管理者」の要件で誤っているのはどれか。
選択肢
1 定められた内容の研修を受ける。
2 同時間帯で2カ所の施術所まで担当できる。
3 一定期間実務に従事した経験を有する。
4 柔道整復師でなければならない。
解答
正解2(同時間帯で2カ所の施術所まで担当できる。)
解説

受領委任を取り扱う「施術管理者」になるには、柔道整復師であることに加えて、一定期間の実務経験と所定の研修修了が求められます。施術管理者は施術所ごとに専任で置くため、同じ時間帯に2カ所を担当することはできず、これが誤りの肢です。

受領委任払いは、本来は患者本人が受け取るはずの療養費を施術者が代わりに受け取る仕組みです。お金の流れが施術所を経由する以上、「その施術所の請求に誰が責任を負うのか」が明確でなければ制度が成り立ちません。この責任の所在をはっきりさせる目的で、平成30年4月以降に新たに施術管理者として登録する場合には、実務経験と、2日間・16時間以上の施術管理者研修の修了が登録要件として追加されました。実務経験の年数は段階的に延長されており、第30回国家試験が実施された令和4年3月の時点では原則2年、同年4月以降は原則3年です。そして「責任者を一人に定める」という同じ趣旨から、施術管理者は一の施術所につき1人を選任し、その施術所の施術時間帯には常態として勤務していることが必要とされます。したがって同一時間帯に他の施術所の施術管理者を兼ねることは認められていません。要件を丸暗記するのではなく、「誰が責任を負うかを明確にするための決まり」と捉えると、2が要件から外れることが理屈で判断できます。

✓ 2. これが誤り(=正解)
同時間帯で2カ所の施術所まで担当できる。
施術管理者は一の施術所につき1人を選任し、その施術所の施術時間帯には常態として勤務している必要があります。施術録の管理や療養費請求の適正化について一人が責任を負う仕組みだからです。したがって同一時間帯に2カ所の施術所を担当することはできません。この肢が誤りとされる核心は「同時間帯」という点にあります(勤務時間帯が重複しない場合の取扱いについては別途定めがあります)。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
定められた内容の研修を受ける。
施術管理者研修(2日間・16時間以上)の受講・修了が登録要件です。職業倫理、適切な保険請求、適切な施術所管理、安全な臨床などが内容に含まれ、修了証の写しを申請時に添付します。したがって設問の条件(誤っているもの)には当てはまりません。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
一定期間実務に従事した経験を有する。
実務経験期間は要件の柱の一つです。平成30年度は1年、令和2年度から2年、令和4年度から3年と段階的に延長されてきました。施術所での勤務を証明する実務経験期間証明書の提出が必要で、この肢は要件として正しい記述です。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
柔道整復師でなければならない。
受領委任の取扱いは柔道整復師の施術に対する療養費の仕組みですから、施術管理者は当然に柔道整復師免許を有する者に限られます。無資格者や他職種は施術管理者になれません。この肢も要件として正しい記述です。
ポイント
  • 施術管理者の登録要件は3本柱 ―― ①柔道整復師であること ②一定期間の実務経験 ③施術管理者研修(2日間・16時間以上)の修了。
  • 実務経験は段階的に延長(平成30年度1年 → 令和2年度2年 → 令和4年度以降3年)。第30回の出題時点では原則2年。
  • 施術管理者は一の施術所につき1人を選任し、その施術時間帯は常態として勤務していることが必要。同一時間帯に2カ所を掛け持ちすることは不可
  • 要件が設けられた狙いは「療養費請求の責任の所在を一人に明確化すること」。この趣旨から各肢の可否を導ける。
  • 受領委任は地方厚生(支)局長および都道府県知事との協定・契約に基づく取扱いで、登録・承諾を受けて初めて可能になる。
比較表
項目施術管理者の要件本問の肢
資格柔道整復師免許が必須4(要件どおり)
実務経験一定期間の勤務経験が必要(出題当時は原則2年、令和4年4月以降3年)3(要件どおり)
研修施術管理者研修 2日間・16時間以上を修了1(要件どおり)
専任性一の施術所につき1人を選任し、その施術時間帯は常態として勤務。同一時間帯の複数施術所の担当は不可2(要件に反する=正解)
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