学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ29P102

理由で解く 柔道整復師

QJ29P102 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問102
問題
ばね指で正しいのはどれか。
選択肢
1 男性に多い。
2 小指に多い。
3 狭窄部は指節間関節が多い。
4 小児は自然治癒することが多い。
解答
正解4(小児は自然治癒することが多い。)
解説

小児のばね指(先天性の強剛母指)は母指に多く、成長とともに自然に治ることが多い。成人例は中年女性に多く、狭窄部はMP関節掌側のA1腱鞘。

ばね指は、屈筋腱と靱帯性腱鞘(とくにMP関節掌側にあるA1プーリー)の間で滑走障害が起こり、肥厚した腱がその狭い部分を通過する瞬間に「カクン」と弾ける弾発現象を生じる病態である。成人では中年以降の女性、手をよく使う職業、妊娠・出産期や更年期、糖尿病・関節リウマチ・透析患者に多い。好発は母指・中指・環指で、MP関節掌側に一致した圧痛と結節を触れるのが特徴。一方、小児例は生下時から母指IP関節が屈曲したまま伸びない「強剛母指」として気づかれることが多く、腱の肥厚に対して腱鞘が相対的に狭いことが背景にある。多くは1歳前後までに自然に改善するため、まずは経過観察と保護者への説明が基本方針となる。

✓ 4. 正しい
小児は自然治癒することが多い。
小児のばね指は母指に多く(強剛母指)、腱の肥厚と腱鞘の相対的な狭さによって生じる。成長に伴って改善する例が多いため、乳幼児期はまず経過をみるのが原則で、改善しない場合に手術が検討される。
✗ 1. 誤り
男性に多い。
成人例は中年以降の女性に多い。妊娠・出産期や更年期といったホルモン環境の変化、手作業の多さが背景として挙げられる。糖尿病や関節リウマチ、透析患者では性別を問わず頻度が高まる。
✗ 2. 誤り
小指に多い。
好発するのは母指・中指・環指で、小指の頻度は低い。使用頻度が高く屈曲の負荷がかかる指に生じやすい。
✗ 3. 誤り
狭窄部は指節間関節が多い。
狭窄が起こるのはMP関節掌側にあるA1腱鞘(靱帯性腱鞘の入口部)で、この部位に一致した圧痛と結節を触れる。指節間関節の高さではない。まずは安静と手の使い方の調整を助言し、改善しなければ医療機関での注射・手術の検討につなぐ。
ポイント
  • 病態は屈筋腱と靱帯性腱鞘(A1プーリー)の滑走障害。狭窄部はMP関節掌側。
  • 成人例は中年以降の女性に多く、母指・中指・環指が好発。
  • 危険因子は手の使いすぎ、妊娠・出産期、更年期、糖尿病、関節リウマチ、透析。
  • 小児例は母指の強剛母指として現れ、多くは自然に改善する。まず経過観察。
  • 朝のこわばりや弾発が強い時期は安静と負荷の調整を助言し、改善しなければ医療機関へつなぐ。
比較表
小児のばね指成人のばね指
好発指母指(強剛母指)母指・中指・環指
性差・年齢乳幼児期に気づかれる中年以降の女性に多い
症状母指IP関節が屈曲したまま伸びない弾発現象、MP関節掌側の圧痛・結節
経過自然治癒することが多い慢性化しやすく、注射や手術を要することがある
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。