学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §9 疾患別各論 骨および軟部腫瘍 / QJ29P059

理由で解く 柔道整復師

QJ29P059 整形外科学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問59
問題
単純エックス線で多房性の骨透過像を示す腫瘍はどれか。
選択肢
1 内軟骨腫
2 骨巨細胞腫
3 孤立性骨嚢腫
4 線維性骨異形成
解答
正解2(骨巨細胞腫)
解説

骨巨細胞腫です。内部が骨性の隔壁で仕切られ、石鹸の泡のような多房性の透亮像を示します。

骨腫瘍のエックス線像は「年齢・部位・透亮像の性状」の3点で絞り込みます。骨巨細胞腫は20〜40歳に多く、大腿骨遠位・脛骨近位・橈骨遠位など長管骨の骨端に偏って発生し、骨を膨らませるように大きくなります。内部に残った骨梁が隔壁として写るため、房が集まったような多房性(石鹸の泡状)の透亮像となり、皮質は薄く引き伸ばされます。組織学的には良性に分類されますが局所再発が多く、まれに肺へ転移することもあるため、掻爬・骨移植や広範切除など確実な処置が必要です。本問は、設問文に示された「多房性」という語だけで判断できる知識問題です。他の3つも透亮像を作りますが、それぞれ別の特徴的な写り方をするので、多房性か単房性か、すりガラス状か、石灰化を伴うかで区別できます。

✓ 2. 正しい
骨巨細胞腫
長管骨の骨端に偏在性・膨隆性に発生し、内部の骨性隔壁によって多房性(石鹸の泡状)の透亮像を示します。好発年齢は20〜40歳で、骨端という部位も鑑別の決め手になります。
✗ 1. 誤り
内軟骨腫
手の指骨や中手骨に好発する良性軟骨性腫瘍です。境界明瞭な類円形の透亮像の中に点状・輪状の石灰化が混じるのが特徴で、房状の隔壁像は典型ではありません。軽微な外力による病的骨折で見つかることがあります。
✗ 3. 誤り
孤立性骨嚢腫
小児〜若年者の上腕骨近位や大腿骨近位の骨幹端に、骨の長軸に沿った単房性の透亮像として現れます。病的骨折を起こすと骨片が嚢腫内に落ち込む所見がみられます。多房性ではない点が対比になります。
✗ 4. 誤り
線維性骨異形成
骨髄が線維性の組織に置き換わる病変で、透亮というより「すりガラス状」のややかすんだ陰影を示します。大腿骨近位に及ぶと羊飼いの杖のような内反変形をきたします。隔壁による多房性像とは異なります。
ポイント
  • 多房性(石鹸の泡状)+骨端+20〜40歳=骨巨細胞腫。
  • 単房性+骨幹端+小児+上腕骨近位=孤立性骨嚢腫。
  • 点状石灰化+手指の骨=内軟骨腫(多発すればオリエ病)。
  • すりガラス状陰影+羊飼いの杖変形=線維性骨異形成。
  • 骨腫瘍は「年齢・発生部位(骨端/骨幹端/骨幹)・透亮像の性状」で候補を絞るのが基本。
比較表
腫瘍好発年齢好発部位エックス線像
骨巨細胞腫20〜40歳大腿骨遠位・脛骨近位・橈骨遠位の骨端多房性(石鹸の泡状)、偏在性・膨隆性、皮質菲薄化
内軟骨腫10〜40歳手の指骨・中手骨境界明瞭な透亮像+点状・輪状石灰化
孤立性骨嚢腫小児〜若年上腕骨近位・大腿骨近位の骨幹端単房性、長軸方向に伸びる、病的骨折で骨片が落ち込む
線維性骨異形成小児〜若年大腿骨近位・脛骨・肋骨・頭蓋すりガラス状陰影、羊飼いの杖変形
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。