学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §14 意識障害(救急法) / QJ29P054

理由で解く 柔道整復師

QJ29P054 外科学概論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問54
問題
ジャパン・コーマスケールⅢ-100の状態で正しいのはどれか。
選択肢
1 見当識障害がある。
2 普通の呼びかけで容易に開眼する。
3 痛み刺激に対し払いのける動作をする。
4 痛み刺激に反応しない。
解答
正解3(痛み刺激に対し払いのける動作をする。)
解説

ジャパン・コーマスケール(JCS)は「刺激しなくても覚醒しているか」で桁を決め、桁の中の数字で重症度を刻む3-3-9度方式です。III-100は、刺激しても覚醒しない群のうち、痛み刺激を払いのける動作がある状態を指します。

JCSはまず大きく3群に分けます。I桁(1・2・3)は刺激しなくても覚醒している状態、II桁(10・20・30)は刺激すると覚醒する状態、III桁(100・200・300)は刺激しても覚醒しない状態です。桁が上がるほど、また同じ桁の中でも数字が大きいほど重症になります。III桁の3段階は、痛み刺激に対する反応の質で分けられ、100は痛みの元を払いのけようとする、いわば「目的をもった動き」が残っている段階、200は手足を少し動かしたり顔をしかめる程度、300は痛み刺激にまったく反応しない段階です。数値は大きいほど悪いという一方向のスケールなので、記録や引き継ぎでは「JCS III-100」あるいは「JCS 100」と数値で伝えます。柔道整復の現場でも、頭部外傷や意識障害を伴う傷病者を救急に引き継ぐ際、この共通の物差しで状態を伝えられることが重要です。

✓ 3. 正しい
痛み刺激に対し払いのける動作をする。
これがまさにIII-100の定義です。呼びかけや揺さぶりでは覚醒しない(=III桁)が、痛み刺激を与えると、その刺激を排除しようとする合目的的な動作が出る段階を指します。III桁の中では最も軽い段階にあたりますが、刺激しても覚醒しない時点で重篤な意識障害であり、気道の確保と継続的な観察、速やかな医療機関への引き継ぎが必要です。
✗ 1. 誤り
見当識障害がある。
これはI-2に相当します。刺激しなくても覚醒しているものの、今がいつか、ここがどこか、相手が誰かといった見当がつかない状態です。同じI桁では、1が「だいたい意識清明だが今ひとつはっきりしない」、3が「自分の名前や生年月日が言えない」となります。III-100とは覚醒の有無そのものが違い、重症度は大きく隔たります。
✗ 2. 誤り
普通の呼びかけで容易に開眼する。
これはII-10に相当します。放っておくと眠ってしまうが、普通の声で呼びかければ容易に目を開ける段階です。II桁は「刺激すると覚醒する」群で、20は大きな声または体を揺さぶることで開眼、30は痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すとかろうじて開眼、と刻まれます。III-100は呼びかけでは覚醒しないため、この段階より重症です。
✗ 4. 誤り
痛み刺激に反応しない。
これはIII-300で、JCSの中で最も重い段階です。同じIII桁でも、100は痛みを払いのけ、200は少し手足を動かしたり顔をしかめる程度、300はまったく反応しない、と反応の質で区別します。III-300は気道の保護反射も期待できない状態であり、直ちに気道確保と呼吸・循環の管理が必要になります。
ポイント
  • JCSは3-3-9度方式。I桁=刺激しなくても覚醒、II桁=刺激すると覚醒、III桁=刺激しても覚醒しない。数字が大きいほど重症。
  • III桁の刻みは痛み刺激への反応の質で決まる。100=払いのける/200=少し動かす・顔をしかめる/300=反応しない。
  • I桁は1=だいたい清明だがはっきりしない、2=見当識障害、3=名前・生年月日が言えない。
  • II桁は10=普通の呼びかけで容易に開眼、20=大声や揺さぶりで開眼、30=痛み刺激+呼びかけの反復でかろうじて開眼。
  • III桁と判断したら気道確保を最優先し、数値(例「JCS 100」)で救急へ引き継ぐ。
比較表
大分類点数状態
I刺激しなくても覚醒している1だいたい意識清明だが、今ひとつはっきりしない
2見当識障害がある
3自分の名前、生年月日が言えない
II刺激すると覚醒する10普通の呼びかけで容易に開眼する
20大きな声または体を揺さぶることにより開眼する
30痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと、かろうじて開眼する
III刺激しても覚醒しない100痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする
200痛み刺激で少し手足を動かしたり、顔をしかめる
300痛み刺激に反応しない
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