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理由で解く 柔道整復師

QJ29A120 病理学概論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問120
問題
症候と疾患の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 喀血胃潰瘍
2 吐血肺結核
3 タール便-直腸癌
4 血尿膀胱癌
解答
正解4(血尿膀胱癌)
解説

出血の「出口」から出血源を逆算する問題。血尿は腎から尿道までの尿路系からの出血で、膀胱癌の代表的な初発症状である。

喀血は気管・気管支・肺からの出血で、咳とともに鮮紅色・泡沫状に出る。吐血は食道・胃・十二指腸といった上部消化管からの出血で、嘔吐とともに出るが、胃酸で変性するとコーヒー残渣様の暗赤色になる。同じ上部消化管出血でも血液が腸を下っていくと、ヘモグロビンが酸や腸内細菌で黒く変化してタール便(黒色便、メレナ)となる。一方、直腸やS状結腸など肛門に近い部位からの出血は変性する時間がないため鮮血便になる。そして血尿は尿路系からの出血で、膀胱癌では痛みも排尿障害も伴わない肉眼的血尿が最初の訴えになることが多い。つまり「どこから出たか」と「色=変性の程度」の2軸で出血源が絞り込める。

✓ 4. 正しい
血尿膀胱癌
膀胱癌(多くは尿路上皮癌)は無症候性肉眼的血尿で気づかれるのが典型。喫煙と芳香族アミンなどの化学物質曝露が危険因子で、血尿を認めたら膀胱鏡や尿細胞診による精査につなげる。
✗ 1. 誤り
喀血胃潰瘍
喀血は気道からの出血なので、肺結核・肺癌・気管支拡張症などが原因になる。胃潰瘍から出るのは吐血およびタール便で、組合せが入れ替わっている。
✗ 2. 誤り
吐血肺結核
吐血は上部消化管からの出血で、胃・十二指腸潰瘍や食道静脈瘤破裂が代表的な原因。肺結核で空洞内の血管が破れて起こるのは喀血である。
✗ 3. 誤り
タール便-直腸癌
タール便は上部消化管出血の血液が腸を通る間に黒色化したもの。直腸は肛門に近く血液が変性しないため、直腸癌では鮮血便や便への血液付着として現れる。
ポイント
  • 喀血=気道由来で鮮紅色・泡沫状、咳とともに出る。吐血=上部消化管由来で嘔吐とともに出る。
  • タール便(黒色便)は上部消化管出血のサイン。鮮血便は直腸・肛門など下部からの出血。
  • 血尿は尿路系の出血。無症候性肉眼的血尿は膀胱癌を強く疑う所見。
  • 出血源は「どこから出たか」+「色(変性の程度)」の2軸で推定する。
  • 施術中にこれらの症候を訴える方に出会ったら、施術を続けずに速やかな医療機関受診を勧める。
比較表
症候出血源性状代表疾患
喀血気管・気管支・肺鮮紅色、泡沫状、咳とともに肺結核、肺癌、気管支拡張症
吐血食道・胃・十二指腸暗赤色〜コーヒー残渣様、嘔吐とともに胃・十二指腸潰瘍、食道静脈瘤破裂
タール便上部消化管黒色・粘稠胃潰瘍、胃癌
鮮血便直腸・S状結腸・肛門鮮紅色、便に付着直腸癌、痔核
血尿腎・尿管・膀胱・尿道赤色〜褐色の尿膀胱癌、腎癌、尿路結石、糸球体腎炎
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