学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 病理学概論 ▸ §10 先天性異常 / QJ29A116
理由で解く 柔道整復師
先天性疾患とは「出生する前(受精から出生まで)に異常が成立している」もの。ダウン症候群は染色体異常(内因)、アザラシ肢症は胎内環境の影響(外因)で、成因は違うがどちらも生まれる前に完成している。
先天異常は大きく2系統で整理する。ひとつは受精の時点で決まる内因性——染色体の数や構造の異常、単一遺伝子の変異。もうひとつは胎児が子宮内で受ける外因性——催奇形性のある薬物、感染(風疹などのTORCH)、放射線、母体の代謝異常など。特に器官形成期、すなわち受精後(胎生)2〜8週——日本の産科で用いる妊娠週数(最終月経初日から数える)でいえば約4〜10週——は形態異常が起こりやすい臨界期で、この時期の曝露が四肢や心臓の奇形につながる。なおそれ以前の受精後0〜2週(妊娠約2〜4週)は「全か無かの法則(all-or-none)」が働く時期とされ、傷害が大きければ着床せず流産に至り、乗り越えた場合は形態異常を残さないと説明される。ここで混同しやすいのが「遺伝的素因のある後天性疾患」で、関節リウマチのようにHLAなどの体質が関与しても、病変そのものは生後にできるので先天性疾患には入らない。「素因がある」ことと「生まれる前に異常が完成している」ことを分けて考えるのがこの問題の勘所。
| 分類 | 成立のしかた | 代表疾患 |
|---|---|---|
| 内因性(染色体異常) | 受精の時点で染色体の数・構造が異常 | ダウン症候群、ターナー症候群、クラインフェルター症候群 |
| 内因性(単一遺伝子病) | 1個の遺伝子変異が親から伝わる/新生する | 血友病、マルファン症候群、フェニルケトン尿症 |
| 外因性(胎内環境) | 器官形成期(受精後2〜8週=妊娠約4〜10週)に薬物・感染・放射線が作用 | アザラシ肢症(サリドマイド)、先天性風疹症候群 |
| 後天性(参考) | 出生後に発症。遺伝素因+環境 | 関節リウマチ、特発性心筋症、2型糖尿病 |
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