学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ29A076

理由で解く 柔道整復師

QJ29A076 解剖学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問76
問題
下腿の伸筋を支配するのはどれか。
選択肢
1 脛骨神経
2 腓腹神経
3 浅腓骨神経
4 深腓骨神経
解答
正解4(深腓骨神経)
解説

下腿前面の伸筋群(足関節を背屈し足趾を伸ばす筋)を支配するのは深腓骨神経です。正解は4です。

下腿は3つの区画に分けて覚えると神経支配が一気に整理できます。前面の伸筋群は前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋・第三腓骨筋で、足関節の背屈と足趾の伸展を行います。外側の腓骨筋群は長腓骨筋・短腓骨筋で足を外がえしします。後面の屈筋群は下腿三頭筋・後脛骨筋・長趾屈筋・長母趾屈筋で底屈します。坐骨神経から分かれた総腓骨神経は腓骨頭の後ろを回り込んで浅枝と深枝に分かれ、浅腓骨神経が外側区画を、深腓骨神経が前面の伸筋群を受け持ちます。後面は脛骨神経の担当です。腓骨頭付近は骨と皮膚の間が薄く、長時間の圧迫やギプス固定で総腓骨神経が傷害されやすい部位で、背屈ができなくなると下垂足(歩行時に足先を高く上げる鶏歩)を呈します。固定や包帯を行うときは腓骨頭部の圧迫を避け、足趾の背屈と足背の感覚を確認する習慣をつけましょう。

✓ 4. 正しい
深腓骨神経
前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋・第三腓骨筋という下腿前面の伸筋群すべてを支配し、さらに足背では短趾伸筋と第1・第2趾間の皮膚感覚を担当します。「深=前面の伸筋、浅=外側の腓骨筋」と対で覚えます。
✗ 1. 誤り
脛骨神経
下腿後面の屈筋群(下腿三頭筋・後脛骨筋・長趾屈筋・長母趾屈筋)を支配し、足底では内側・外側足底神経になります。伸筋群ではなく底屈側の担当です。
✗ 2. 誤り
腓腹神経
脛骨神経由来の内側腓腹皮神経と総腓骨神経由来の交通枝が合わさってできる、感覚だけの皮神経です。下腿後外側から足の外側縁の皮膚感覚を伝えますが、筋は支配しません。
✗ 3. 誤り
浅腓骨神経
外側区画の長腓骨筋・短腓骨筋を支配して足の外がえしを行い、足背の皮膚感覚も担当します。前面の伸筋群は深腓骨神経の担当なので、この肢は当てはまりません。
ポイント
  • 下腿前面(伸筋群)=深腓骨神経、外側(腓骨筋群)=浅腓骨神経、後面(屈筋群)=脛骨神経。
  • 総腓骨神経は腓骨頭の後ろで浅枝・深枝に分かれる。
  • 腓腹神経は筋を支配しない純粋な皮神経(下腿後外側〜足外側縁)。
  • 深腓骨神経麻痺=足関節背屈不能=下垂足(鶏歩)。第1・第2趾間の感覚障害も伴う。
  • 腓骨頭付近は圧迫による神経麻痺の好発部位。固定・包帯時は圧迫を避け、背屈と感覚を確認する。
比較表
区画主な筋主な作用支配神経
前面(伸筋群)前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、第三腓骨筋足関節背屈、足趾伸展深腓骨神経
外側(腓骨筋群)長腓骨筋、短腓骨筋足の外がえし浅腓骨神経
後面(屈筋群)下腿三頭筋、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋足関節底屈、足趾屈曲脛骨神経
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