学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §3 脈管系(循環器系) / QJ29A060

理由で解く 柔道整復師

QJ29A060 解剖学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問60
問題
上大静脈に注ぐのはどれか。
選択肢
1 肝静脈
2 奇静脈
3 脾静脈
4 門脈
解答
正解2(奇静脈)
解説

上大静脈に直接注ぐのは奇静脈。正答は2。

上大静脈は左右の腕頭静脈が合流してできる太い静脈で、頭頸部・上肢・胸壁といった上半身の血液を集めて右心房に返す。胸壁と後胸壁からの血液を集める奇静脈は、脊柱の右前方を上行し、右主気管支をまたぐようにアーチを描いて(奇静脈弓)前方へ向かい、右心房に入る直前の上大静脈に注ぐ。奇静脈系は上大静脈系と下大静脈系をつなぐ側副路でもあり、下大静脈が閉塞したときの迂回路として働く点が臨床的に重要である。ほかの選択肢は門脈系と下大静脈系の血管で、「腸や脾臓の血液はいったん肝臓を通ってから下大静脈へ出る」という順路を思い出せば、上大静脈と無関係だと即断できる。

✓ 2. 正しい
奇静脈
後胸壁の肋間静脈などを集め、脊柱の右前方を上行して奇静脈弓をつくり、上大静脈に注ぐ。左側の半奇静脈・副半奇静脈は脊柱の前を横切って奇静脈に合流する。
✗ 1. 誤り
肝静脈
肝臓の後面で肝臓を出て、すぐ後ろを走る下大静脈に直接注ぐ。門脈と肝動脈で運ばれた血液の出口にあたり、心臓へは下大静脈を経由して戻る。
✗ 3. 誤り
脾静脈
門脈系の静脈。脾臓と胃の一部、膵臓からの血液を集め、上腸間膜静脈と合流して門脈をつくる。心臓ではなく肝臓へ向かう流れである。
✗ 4. 誤り
門脈
上腸間膜静脈と脾静脈の合流でできる太い静脈で、肝門から肝臓に入る。栄養に富む腸の血液を肝臓で処理させるための特別な経路(門脈系)であり、上大静脈へは注がない。
ポイント
  • 上大静脈は左右の腕頭静脈が合流してでき、上半身の血液を右心房へ返す
  • 奇静脈は脊柱右前方を上行し、奇静脈弓をつくって上大静脈へ注ぐ
  • 奇静脈系は上大静脈系と下大静脈系をつなぐ側副路になる
  • 肝静脈は下大静脈へ直接注ぐ
  • 脾静脈+上腸間膜静脈=門脈。門脈は肝臓へ入り、心臓へは直接戻らない
比較表
静脈属する系統注ぐ先
奇静脈上大静脈系上大静脈
肝静脈下大静脈系下大静脈
脾静脈門脈系上腸間膜静脈と合流して門脈へ
門脈門脈系肝門から肝臓へ
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