学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ29A058

理由で解く 柔道整復師

QJ29A058 解剖学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問58
問題
脛骨粗面に付く筋を支配するのはどれか。
選択肢
1 坐骨神経
2 脛骨神経
3 大腿神経
4 閉鎖神経
解答
正解3(大腿神経)
解説

脛骨粗面に停止するのは大腿四頭筋で、その支配は大腿神経。正答は3。

大腿四頭筋(大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋)は下方で1本の腱にまとまり、膝蓋骨を包み込んだのち膝蓋靱帯となって脛骨粗面に停止する。膝蓋骨は大腿四頭筋腱の中にできた人体最大の種子骨で、腱を前方へ浮かせて力の向きを変え、膝伸展のてこを有利にしている。この4筋はすべて腰神経叢から出る大腿神経(L2〜L4)の支配である。注意したいのは脛骨粗面の「すぐ内側」で、ここには縫工筋・薄筋・半腱様筋が集まって鵞足をつくる。鵞足の3筋は支配神経が大腿神経・閉鎖神経・脛骨神経とばらばらで、粗面そのものに付くわけではない。「脛骨粗面=大腿四頭筋、その内側=鵞足」と場所で切り分ける。

✓ 3. 正しい
大腿神経
大腿四頭筋4頭すべてを支配する。腸腰筋とともに腰神経叢の枝で、膝を伸ばす力に加え、大腿前面の皮膚感覚(前皮枝)と下腿内側から足の内側縁の感覚(伏在神経)を担う。麻痺すると膝折れを起こし、膝蓋腱反射(L2〜L4)も減弱する。
✗ 1. 誤り
坐骨神経
大腿後面のハムストリング(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)を支配する。これらの停止は腓骨頭や脛骨の内側であって、前面の脛骨粗面ではない。働きも膝屈曲・股関節伸展で、大腿四頭筋とは拮抗する。
✗ 2. 誤り
脛骨神経
坐骨神経の枝で、膝窩を通って下腿後面(下腿三頭筋・後脛骨筋・長趾屈筋など)と足底へ向かう。膝から下の後面を担当する神経であり、脛骨粗面への停止筋には関与しない。
✗ 4. 誤り
閉鎖神経
内転筋群(長内転筋・短内転筋・大内転筋の一部)と薄筋、外閉鎖筋を支配する。薄筋は鵞足の一員として脛骨粗面の内側に付くが、粗面そのものに付くのは大腿四頭筋であり、設問の条件には合わない。
ポイント
  • 脛骨粗面=大腿四頭筋の停止(膝蓋靱帯を介する)→ 支配は大腿神経(L2〜L4)
  • 膝蓋骨は大腿四頭筋腱の中の種子骨で、膝伸展のてこを有利にする
  • 鵞足は脛骨粗面の内側。縫工筋(大腿神経)・薄筋(閉鎖神経)・半腱様筋(脛骨神経)
  • 大腿神経・閉鎖神経は腰神経叢、坐骨神経・脛骨神経は仙骨神経叢
  • 大腿神経麻痺では膝折れと膝蓋腱反射の減弱がみられる
比較表
神経神経叢主な支配筋停止部の代表
大腿神経腰神経叢大腿四頭筋、縫工筋、腸腰筋脛骨粗面(膝蓋靱帯を介して)
閉鎖神経腰神経叢内転筋群、薄筋、外閉鎖筋大腿骨粗線、鵞足(薄筋)
坐骨神経仙骨神経叢ハムストリング腓骨頭、脛骨内側
脛骨神経仙骨神経叢(坐骨神経の枝)下腿三頭筋、後脛骨筋など踵骨隆起ほか
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