学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ29A057

理由で解く 柔道整復師

QJ29A057 解剖学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問57
問題
梨状筋上孔を通る神経で支配されるのはどれか。
選択肢
1 大殿筋
2 小殿筋
3 内閉鎖筋
4 外閉鎖筋
解答
正解2(小殿筋)
解説

梨状筋上孔を通るのは上殿神経で、その支配筋は中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋。正答は2。

大坐骨孔は梨状筋によって上下2つの通路に仕切られる。上が梨状筋上孔、下が梨状筋下孔である。覚え方の要は「上孔は通るものが少ない」こと。上孔を通るのは上殿神経と上殿動静脈だけで、これを先に固めてしまえば、残りはすべて下孔と処理できる。下孔からは下殿神経・下殿動静脈・坐骨神経・後大腿皮神経・陰部神経・内陰部動静脈・内閉鎖筋神経などが出る。上殿神経が支配する中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋は股関節外転筋であり、片脚立ちのときに骨盤が傾かないよう支えている。麻痺すると立脚側と反対の骨盤が下がるトレンデレンブルグ徴候が現れるので、機能とセットで押さえておきたい。

✓ 2. 正しい
小殿筋
上殿神経の支配。中殿筋・大腿筋膜張筋と同じグループで、股関節を外転させ、前部線維は内旋にも働く。上殿神経は梨状筋上孔を通って骨盤外へ出るので、設問の条件に合う。
✗ 1. 誤り
大殿筋
下殿神経の支配で、この神経は梨状筋孔を通る。大殿筋は股関節の伸展・外旋の主力で、階段昇りや立ち上がりで強く働く。同じ殿筋でも通る孔が違う点が本問の分かれ目。
✗ 3. 誤り
内閉鎖筋
仙骨神経叢から出る内閉鎖筋神経の支配で、梨状筋下孔を通る。しかもこの筋は小坐骨孔を通って骨盤の外へ出て大転子窩へ向かうという特殊な走り方をし、股関節の外旋に働く。
✗ 4. 誤り
外閉鎖筋
腰神経叢から出る閉鎖神経の支配で、そもそも大坐骨孔ではなく閉鎖管を通る。名前が内閉鎖筋と似ていても、由来する神経叢も通り道も別である。
ポイント
  • 梨状筋上孔を通るのは上殿神経と上殿動静脈だけ。まずこれを固める
  • 上殿神経の支配筋=中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋(股関節外転筋)
  • 下殿神経(大殿筋)・坐骨神経・陰部神経・後大腿皮神経はすべて梨状筋下孔
  • 内閉鎖筋=内閉鎖筋神経(下孔→小坐骨孔)、外閉鎖筋=閉鎖神経(閉鎖管)
  • 上殿神経麻痺ではトレンデレンブルグ徴候が現れる
比較表
通り道通るもの関係する筋
梨状筋上孔上殿神経、上殿動静脈中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋
梨状筋下孔下殿神経、坐骨神経、後大腿皮神経、陰部神経、内閉鎖筋神経ほか大殿筋、内閉鎖筋、大腿後面の筋
閉鎖管閉鎖神経、閉鎖動静脈外閉鎖筋、内転筋群、薄筋
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