学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ29A055

理由で解く 柔道整復師

QJ29A055 解剖学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問55
問題
上腕骨の小結節稜に停止するのはどれか。
選択肢
1 棘上筋
2 棘下筋
3 大円筋
4 小円筋
解答
正解3(大円筋)
解説

上腕骨の小結節稜に停止するのは大円筋。正答は3。

上腕骨近位部の停止部は「2つの結節と、それぞれの稜、そしてその間の溝」という地形で整理すると一気に片づく。大結節には上から順に棘上筋・棘下筋・小円筋が停止し、小結節には肩甲下筋が停止する。この4つが回旋筋腱板(ローテーターカフ)である。結節間溝をはさんで、外側の縁である大結節稜には大胸筋、内側の縁である小結節稜には大円筋、そして溝の底には広背筋が付く。「溝をはさんで外が大胸筋、底が広背筋、内が大円筋」と3つ並べて唱えると、名前の似た筋に振り回されなくなる。大円筋と広背筋が隣り合って付くのは、肩関節の内転・内旋・伸展という同じ働きを分担しているからである。

✓ 3. 正しい
大円筋
小結節稜(結節間溝の内側縁)に停止する。肩甲骨下角の外側縁から起こり、肩関節を内転・内旋・伸展させる。すぐ隣の結節間溝底に付く広背筋と作用がほぼ同じで、「広背筋の小さな相棒」と結びつけると位置も働きも同時に入る。支配は肩甲下神経。
✗ 1. 誤り
棘上筋
大結節の上部に停止する。肩関節外転の初動を担い、回旋筋腱板の中でもっとも損傷しやすい。停止は結節間溝の内側ではなく大結節側である。
✗ 2. 誤り
棘下筋
大結節の中部に停止する。肩関節の外旋筋で、支配は肩甲上神経。棘上筋とともに肩甲棘を境に上下に分かれて起始する。
✗ 4. 誤り
小円筋
大結節の下部に停止する。名前が大円筋と似ているが、停止(大結節下部)も支配神経(腋窩神経)も作用(外旋)も大円筋とは正反対に近い。回旋筋腱板に含まれるのは小円筋のほうで、大円筋は含まれない点も対で覚えたい。
ポイント
  • 小結節稜=大円筋、結節間溝の底=広背筋、大結節稜=大胸筋
  • 大結節には上から棘上筋・棘下筋・小円筋、小結節には肩甲下筋
  • 回旋筋腱板は棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つ。大円筋は含まれない
  • 大円筋(肩甲下神経・内旋)と小円筋(腋窩神経・外旋)は名前が似て中身は逆
  • 大円筋と広背筋は隣り合って付き、内転・内旋・伸展という働きも似る
比較表
停止支配神経主な作用
棘上筋大結節上部肩甲上神経外転(初動)
棘下筋大結節中部肩甲上神経外旋
小円筋大結節下部腋窩神経外旋
肩甲下筋小結節肩甲下神経内旋
大円筋小結節稜肩甲下神経内転・内旋・伸展
広背筋結節間溝底胸背神経内転・内旋・伸展
大胸筋大結節稜内側・外側胸筋神経内転・内旋・屈曲
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