学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §1 人体解剖学概説 / QJ29A051

理由で解く 柔道整復師

QJ29A051 解剖学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問51
問題
転写の意味で正しいのはどれか。
選択肢
1 DNA からmRNA が読まれる。
2 mRNA を核外へ輸送する。
3 mRNA がリボソームと結合する。
4 tRNAがmRNAを認識する。
解答
正解1(DNA からmRNA が読まれる。)
解説

転写とはDNAの塩基配列をmRNAに写し取る段階そのものを指す。正答は1。

遺伝情報はDNA→RNA→タンパク質の順に流れる(セントラルドグマ)。核内でRNAポリメラーゼがDNA二重らせんの一方の鎖を鋳型として読み、相補的な塩基(AにはU、GにはC)をつないでmRNA前駆体を合成する。これが転写である。できたmRNAはスプライシングなどの加工を受けてから核膜孔を通って細胞質へ出て、リボソームと結合し、tRNAが運ぶアミノ酸が順につながってタンパク質になる。この後半が翻訳である。見分けるときは工程で線を引くのが確実で、「DNAを鋳型にRNAをつくる工程だけが転写、RNAをもとにアミノ酸を並べる工程が翻訳」と押さえる。両者のあいだにある加工(スプライシング)や核外輸送は、そのどちらでもない。場所で覚える場合は「核内で起きるものがすべて転写ではない」という但し書きが要る。mRNAの核外輸送は核内から核膜孔で起こるが転写ではないからで、使えるのは「細胞質で起こることは転写ではない」という一方向だけである。

✓ 1. 正しい
DNA からmRNA が読まれる。
DNAを鋳型としてmRNAが合成される過程そのもので、転写の定義に一致する。RNAポリメラーゼがプロモーターに結合して鋳型鎖を読み進め、チミン(T)の代わりにウラシル(U)を使ってRNA鎖を伸ばす。
✗ 2. 誤り
mRNA を核外へ輸送する。
転写が終わってできたmRNAを、核膜孔を通して細胞質へ送り出す段階。起こる場所は核内から核膜孔だが、DNAを鋳型にRNAをつくる作業ではないので転写ではなく、アミノ酸を並べる作業でもないので翻訳でもない。両者をつなぐ橋渡しにあたる工程である。
✗ 3. 誤り
mRNA がリボソームと結合する。
翻訳の開始段階。細胞質でmRNAにリボソームの小サブユニットが結合し、開始コドンを見つけて大サブユニットが加わる。細胞質で起こっている時点で転写ではないと判断できる。
✗ 4. 誤り
tRNAがmRNAを認識する。
翻訳の伸長段階。tRNAのアンチコドンがmRNAのコドンと相補的に対合し、対応するアミノ酸を運んでくる工程で、アミノ酸を並べる作業そのものである。
ポイント
  • 転写=DNAを鋳型にRNAをつくる工程、翻訳=RNAをもとにアミノ酸を並べる工程
  • 転写は核内、翻訳は細胞質で起こる。ただし「核内で起きる=転写」ではない
  • RNAポリメラーゼは鋳型鎖を読み、TのかわりにUを使う
  • mRNAの加工(スプライシング)と核外輸送は転写と翻訳をつなぐ橋渡しで、どちらでもない
  • リボソームとの結合=翻訳の開始、tRNAとの対合=翻訳の伸長
比較表
段階場所主役内容
転写核内RNAポリメラーゼDNA→mRNAへ情報を写す
加工・輸送(どちらでもない)核内→核膜孔スプライソソームなどmRNAを完成させ細胞質へ出す
翻訳(開始)細胞質リボソームmRNAにリボソームが結合する
翻訳(伸長)細胞質tRNAコドンとアンチコドンが対合しアミノ酸を連結
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