学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ28P015
理由で解く 柔道整復師

線分二等分テストは、水平に引いた1本の線の「まん中」だと思うところに印をつけてもらい、空間へ注意を向ける働きに偏りがないかをみる検査です。印が本当の中点より右へずれていれば、線分の左半分が意識にのぼっていないことを意味し、左半側空間無視と判断します(本問の正答は2)。
空間に注意を配る働きは右大脳半球が優位で、右半球(とくに側頭頭頂接合部から下頭頂小葉、右中大脳動脈領域)が障害されると、左側の空間そのものが本人の世界から抜け落ちます。すると線分の左端が「無い」ものとして扱われ、残った右寄りの部分の中央に印をつけるため、客観的な中点よりも右に寄ります。逆に印が左へずれるのは右半分が抜け落ちている場合で、ずれた向きと反対側が無視されている側、と整理できます。ここで大切なのは、半側空間無視は視力や視野の障害ではなく注意の障害だという点です。目は見えているのに気づけないので、本人は見落としを自覚しにくく(病態失認)、「ちゃんとまん中に引けました」と答えます。これに対し同名半盲は視覚路そのものの障害で、患者は見えにくさを自覚し、首や眼を動かして補おうとします。そして何より、線分二等分テストが測っているのは視野ではなく空間性注意であり、半盲かどうかは対座法や視野計で判定するものです。この違いが本問の分かれ目です。
| 比較項目 | 半側空間無視 | 同名半盲 |
|---|---|---|
| 障害の本質 | 空間性注意の障害(見えているが気づけない) | 視野の欠損(その範囲が見えない) |
| 主な病巣 | 対側の頭頂葉(右半球の側頭頭頂接合部・下頭頂小葉が代表) | 視交叉より後方の視覚路(視索・外側膝状体・視放線・後頭葉) |
| 本人の自覚 | 乏しい。病態失認を伴いやすい | あり。見えにくさを訴える |
| 代償行動 | 自発的には向かない | 頭部・眼球を欠損側へ動かして補う |
| 線分二等分テスト | 無視側と反対へ大きく偏位(左無視なら右寄り) | 偏位は小さい。生じても向きは欠損側寄り(左半盲なら左)になりやすく、無視とは逆 |
| この検査で判定できるか | できる(空間性注意を評価する検査) | できない。視野の判定は対座法・視野計で行う |
| 主な検査法 | 線分二等分・線分抹消・模写・BIT | 対座法、Goldmann視野計・自動視野計 |
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