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理由で解く 柔道整復師

QJ28P007 衛生学・公衆衛生学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問7
問題
精神保健で正しいのはどれか。
選択肢
1 保健所は精神保健福祉センターの指導援助を行う。
2 アルツハイマー型認知症は一般に急激に症状が進行する。
3 自閉症スペクトラムではコミュニケーションの障害がみられる。
4 自傷他害のおそれがあり、患者本人の同意がない場合は任意入院が行われ.る。
解答
正解3(自閉症スペクトラムではコミュニケーションの障害がみられる。)
解説

自閉症スペクトラム障害の中核症状は、社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応の持続的な困難と、限定・反復的な行動や興味である。したがって正しいのは3。

精神保健福祉法では、精神保健福祉センター(都道府県・指定都市に設置)が保健所や市町村に対して技術的な指導・援助を行う立場にあり、指導の方向は「センター→保健所」である。認知症は原因疾患によって経過が異なり、アルツハイマー型は近時記憶の障害から始まって年単位で緩やかに進むのに対し、血管性認知症は脳血管障害が起こるたびに段階的(階段状)に悪化し、まだら認知症や局所神経症状を伴う。入院形態は、任意入院(本人の同意)、医療保護入院(家族等の同意+精神保健指定医1名)、措置入院(自傷他害のおそれ+指定医2名の診察一致+都道府県知事の措置)、応急入院(急速を要し家族等の同意が得られない、指定医1名、72時間以内)が基本形であり、「誰の同意で、指定医が何名必要か」で覚えると混同しない。

✓ 3. 正しい
自閉症スペクトラムではコミュニケーションの障害がみられる。
視線や表情の使い方、会話のやりとり、人間関係の構築といった社会的コミュニケーションと対人的相互反応の持続的な困難が中核症状である。これに、限定された反復的な行動・興味・こだわり、感覚の過敏さや鈍さが加わる。発達早期から認められ、知的能力や言語能力の程度に幅があることが「スペクトラム」と呼ばれる理由である。
✗ 1. 誤り
保健所は精神保健福祉センターの指導援助を行う。
関係が逆である。精神保健福祉センターが保健所・市町村に対して技術指導と援助を行い、あわせて複雑困難な相談、精神医療審査会の事務、自立支援医療(精神通院医療)や精神障害者保健福祉手帳の判定などを担う。保健所は地域における精神保健活動の第一線機関という位置づけである。
✗ 2. 誤り
アルツハイマー型認知症は一般に急激に症状が進行する。
アルツハイマー型は近時記憶の障害から始まり、年単位で緩やかに進行する。急激な発症や段階的な悪化、まだら認知症、片麻痺などの局所神経症状を伴うのは血管性認知症の特徴である。数か月単位で急速に進む認知症としてはCreutzfeldt-Jakob病が知られる。
✗ 4. 誤り
自傷他害のおそれがあり、患者本人の同意がない場合は任意入院が行われ.る。
自傷他害のおそれがある場合に行われるのは措置入院で、精神保健指定医2名の診察結果が一致したうえで都道府県知事が措置する。任意入院は本人の同意に基づく入院であり、精神科入院の基本形として最も件数が多い。
ポイント
  • 指導の方向は精神保健福祉センター→保健所・市町村。逆にしない。
  • アルツハイマー型は緩徐進行。血管性は階段状・まだら認知症・局所神経症状。
  • 措置入院=自傷他害のおそれ+指定医2名の一致+都道府県知事。
  • 任意入院=本人の同意。医療保護入院=家族等の同意+指定医1名。応急入院=72時間以内、指定医1名。
  • 自閉症スペクトラムの中核は社会的コミュニケーションの障害+限定・反復的な行動。
比較表
入院形態同意精神保健指定医要件・備考
任意入院本人不要精神科入院の基本形
医療保護入院家族等1名医療と保護のため入院が必要で本人の同意が得られない
措置入院不要(知事の措置)2名の一致自傷他害のおそれ
応急入院不要1名急速を要し家族等の同意を得られない。72時間以内
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