学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §4 呼吸 / QJ28A087

理由で解く 柔道整復師

QJ28A087 生理学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問87
問題
死腔量が150mLのとき1分間当たりの肺胞換気量が最も大きい組合せはどれか。呼吸数 1回換気量
選択肢
1 8/分 ─── 750mL
2 10/分 ─── 650mL
3 12/分 ─── 550mL
4 15/分 ─── 450mL
解答
正解2(10/分 ─── 650mL)
解説

肺胞換気量=(1回換気量−死腔量)×呼吸数で計算する。4つを計算すると、2の「10/分×650mL」が5,000mL/分で最大となる。

吸い込んだ空気のうち、気道(鼻腔から終末細気管支まで)に留まってガス交換に関与しない分を解剖学的死腔といい、成人でおよそ150mLである。死腔は1回の呼吸ごとに必ず捨てられるため、呼吸数が増えるほど死腔で失われる量(死腔換気量=死腔量×呼吸数)も比例して増える。この問題の巧妙な点は、分時換気量(1回換気量×呼吸数)だけを見ると4が6,750mLで最も大きいのに、死腔換気量が2,250mLと最も多いため、実際にガス交換に使える肺胞換気量では4,500mLと最下位になることである。つまり「浅く速い呼吸」は効率が悪く、「深くゆっくりした呼吸」の方がガス交換上は有利になる。臨床で頻呼吸の患者に深呼吸を促すのも、運動時に呼吸数だけでなく1回換気量を増やすのも同じ理屈である。

✓ 2. 正しい
10/分 ─── 650mL
(650−150)×10=5,000mL/分となり、4つの中で最大である。分時換気量6,500mLから死腔換気量1,500mLを引いた値でも同じ結果になる。
✗ 1. 誤り
8/分 ─── 750mL
(750−150)×8=4,800mL/分。1回換気量は最も大きいが呼吸数が少ないため、5,000mLには届かない。
✗ 3. 誤り
12/分 ─── 550mL
(550−150)×12=4,800mL/分。分時換気量は6,600mLと選択肢2より大きいが、死腔換気量が1,800mLと多いため肺胞換気量では下回る。
✗ 4. 誤り
15/分 ─── 450mL
(450−150)×15=4,500mL/分で最小。分時換気量は6,750mLと4つの中で最大なのに、死腔換気量が2,250mLに達するため肺胞換気量は最も少ない。「浅く速い呼吸は効率が悪い」ことを示す典型例である。
ポイント
  • 肺胞換気量=(1回換気量−死腔量)×呼吸数。分時換気量=1回換気量×呼吸数と区別する。
  • 解剖学的死腔は成人で約150mL。鼻腔から終末細気管支までの導管部。
  • 死腔換気量=死腔量×呼吸数。呼吸数が増えるほど無駄になる量も増える。
  • 分時換気量が同じでも、浅く速い呼吸は肺胞換気量が小さく効率が悪い。
  • 本問では分時換気量の最大(選択肢4)と肺胞換気量の最大(選択肢2)が一致しない点が要。
比較表
選択肢呼吸数×1回換気量分時換気量死腔換気量肺胞換気量
18/分×750mL6,000mL1,200mL4,800mL
210/分×650mL6,500mL1,500mL5,000mL(最大)
312/分×550mL6,600mL1,800mL4,800mL
415/分×450mL6,750mL(最大)2,250mL4,500mL(最小)
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