学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §4 呼吸 / QJ27A064

理由で解く 柔道整復師

QJ27A064 生理学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問64
問題
閉塞性換気障害で低下するのはどれか。
選択肢
1 1秒率
2 肺活量
3 残気量
4 気道抵抗
解答
正解1(1秒率)
解説

閉塞性換気障害は息を「吐き出しにくく」なる病態で、低下するのは1秒率である。残りの3つはむしろ増加するか、ほぼ保たれる。

閉塞性換気障害は気道の狭窄や虚脱によって呼気の流れが妨げられる状態で、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支喘息が代表である。息を思い切り吐き出したときの最初の1秒間に出せる量(1秒量/FEV1.0)が減るため、1秒量÷努力肺活量で求める1秒率が70%未満に低下することが診断の目安となる。吐ききれない空気が肺に取り残される(エアトラッピング)ので残気量は増え、気道が狭いぶん気道抵抗も上昇する。一方、肺活量が減って%肺活量が80%未満になるのは間質性肺炎などの拘束性換気障害であり、「閉塞性=1秒率が下がる」「拘束性=%肺活量が下がる」と低下する指標を対にして覚えておくと確実に判別できる。

✓ 1. 正しい
1秒率
気道が狭くなると呼気の流速が落ち、最初の1秒で吐き出せる割合が減る。1秒率70%未満が閉塞性換気障害の定義であり、この設問で「低下するもの」として選ぶべき唯一の指標である。
✗ 2. 誤り
肺活量
肺活量が低下するのは肺が膨らみにくくなる拘束性換気障害の特徴である。閉塞性では肺活量は基本的に保たれる(重症例では低下することもあるが、病態を定義づける所見ではない)。
✗ 3. 誤り
残気量
低下ではなく増加する。吐ききれない空気が肺内に取り残されるため残気量・機能的残気量が増え、肺が過膨張してビール樽状胸郭を呈することもある。
✗ 4. 誤り
気道抵抗
これも低下ではなく増加する。気道が狭くなること自体が閉塞性換気障害の本体であり、気道抵抗の上昇が1秒率低下の直接の原因になっている。
ポイント
  • 閉塞性換気障害=息を吐き出しにくい → 1秒率70%未満が定義。
  • 閉塞性では気道抵抗↑、残気量・機能的残気量↑、肺活量はおおむね保たれる。
  • 拘束性換気障害=肺が膨らみにくい → %肺活量80%未満が定義。
  • 1秒率=1秒量(FEV1.0)÷努力肺活量(FVC)×100。
  • 閉塞性の代表はCOPD・気管支喘息、拘束性の代表は間質性肺炎・肺線維症。
比較表
項目閉塞性換気障害拘束性換気障害
障害される相呼気(吐きにくい)吸気(膨らみにくい)
1秒率低下(70%未満)正常〜上昇
%肺活量おおむね正常低下(80%未満)
残気量増加減少
気道抵抗増加正常
代表疾患COPD、気管支喘息間質性肺炎、肺線維症
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。