学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ28A075

理由で解く 柔道整復師

QJ28A075 解剖学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問75
問題
内側膝状体が関与しているのはどれか。
選択肢
1 嗅覚路
2 視覚路
3 聴覚路
4 味覚路
解答
正解3(聴覚路)
解説

内側膝状体は聴覚路の視床中継核で、下丘から受けた聴覚情報を大脳皮質の一次聴覚野へ中継します。正答は3です。

視床の後下方には内側膝状体と外側膝状体が並んでおり、内側が聴覚、外側が視覚と役割が分かれています。聴覚路は、蝸牛(コルチ器)→ 蝸牛神経核 → 上オリーブ核・外側毛帯 → 下丘 → 内側膝状体 → 聴放線 → 側頭葉の横側頭回(ヘシュル回、41野)という順で進みます。視覚路は、網膜 → 視神経 → 視交叉 → 視索 → 外側膝状体 → 視放線 → 後頭葉の鳥距溝周囲(17野)です。中脳の四丘体でも下丘が聴覚、上丘が視覚(と眼球運動)を担当するので、「下丘 → 内側膝状体 → 耳」「上丘 → 外側膝状体 → 目」と縦に並べて覚えると取り違えません。なお聴覚路は途中で何度も交叉するため、一側の中枢性の障害では完全な聴力脱失にはなりにくいことも押さえておきましょう。

✗ 1. 誤り
嗅覚路
嗅細胞 → 嗅球 → 嗅索を経て、梨状葉・鉤・扁桃体などの嗅覚野へ直接入ります。視床を経由せずに大脳皮質へ到達する唯一の感覚路で、膝状体は関与しません。
✗ 2. 誤り
視覚路
視覚の視床中継核は外側膝状体です。内側と外側を入れ替えた、この問題でいちばん引っかかりやすい選択肢です。
✓ 3. 正しい
聴覚路
下丘からの線維を受け、聴放線として側頭葉の横側頭回(一次聴覚野)へ送る、聴覚路の最終中継核が内側膝状体です。
✗ 4. 誤り
味覚路
顔面神経・舌咽神経・迷走神経で運ばれた味覚は延髄の孤束核に入り、視床の後内側腹側核(VPM)を経て頭頂弁蓋・島の味覚野に達します。中継核はVPMであり、膝状体ではありません。
ポイント
  • 内側膝状体=聴覚、外側膝状体=視覚。「内は耳(内耳)」と語呂で固定すると確実。
  • 中脳四丘体も同じ並び。下丘=聴覚の中継、上丘=視覚反射・眼球運動。
  • 視床を通らない感覚は嗅覚だけ。これは頻出の例外なので単独で覚える。
  • 体性感覚は後外側腹側核(VPL、体幹・四肢)と後内側腹側核(VPM、顔面・味覚)が中継する。
  • 感覚路は「受容器 → 一次ニューロン → 中継核 → 視床の核 → 皮質の領野」の5段階で書き出して整理すると、どこを問われても答えられる。
比較表
感覚視床の中継核皮質の投射先
聴覚内側膝状体横側頭回(ヘシュル回、41野)
視覚外側膝状体鳥距溝周囲の後頭葉(17野)
体性感覚(体幹・四肢)後外側腹側核(VPL)中心後回(3・1・2野)
体性感覚(顔面)・味覚後内側腹側核(VPM)中心後回下部/頭頂弁蓋・島
嗅覚中継なし(視床を経ない)梨状葉・鉤・扁桃体
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