学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ28A074

理由で解く 柔道整復師

QJ28A074 解剖学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問74
問題
写真(別冊 No. 1)を別に示す。矢印で示す部位のドーパミン作動性ニューロンが投射するのはどれか。
図
選択肢
1 歯状核
2 オリーブ核
3 赤核
4 被殻
解答
正解4(被殻)
解説

ドーパミン作動性ニューロンが密集するのは中脳の黒質(緻密部)で、その軸索は黒質線条体路として線条体(被殻・尾状核)へ投射します。正答は4です。

設問は矢印で示された部位にドーパミン作動性ニューロンが集まることを前提にしています。中脳でこれに該当するのが黒質で、大脳脚と被蓋の間にあり、メラニン色素を含む神経細胞のため肉眼で黒くみえます。黒質のうち緻密部の細胞がドーパミンを伝達物質とし、その軸索は上行して線条体(被殻と尾状核)に終わります。この入力が大脳基底核ループの直接路・間接路のバランスを調節し、運動の開始と抑制を滑らかにしています。黒質緻密部の細胞が脱落すると線条体のドーパミンが不足し、Parkinson病の無動・筋強剛・振戦が現れます。なお中脳にはもう一つのドーパミン細胞群である腹側被蓋野がありますが、その主な投射先は辺縁系や前頭葉で、線条体へ向かう主経路は黒質から出る点で区別されます。

✓ 4. 正しい
被殻
被殻は尾状核とともに線条体を構成し、黒質緻密部のドーパミン作動性ニューロンの主な投射先です(黒質線条体路)。「黒質→線条体(被殻+尾状核)→Parkinson病」という一本の流れで覚えてください。
✗ 1. 誤り
歯状核
歯状核は小脳核のうち最大のもので、上小脳脚を通って対側の赤核・視床へ出力する側の核です。黒質のドーパミン線維を受ける部位ではありません。小脳の出力路(歯状核赤核視床路)として整理しておきましょう。
✗ 2. 誤り
オリーブ核
下オリーブ核は延髄にあり、登上線維として対側の小脳皮質へ投射する核です。中脳の黒質からの投射先ではありません。「オリーブ核=小脳への入力源」と行き先で覚えると混同を避けられます。
✗ 3. 誤り
赤核
赤核は黒質と同じ中脳にあるため紛れやすいのですが、小脳(歯状核)や大脳皮質からの入力を受けて赤核脊髄路を出す核であり、黒質ドーパミン系の主な終着点ではありません。「中脳の隣同士でも回路は別」と役割で分けて記憶してください。
ポイント
  • 黒質緻密部=ドーパミン作動性ニューロンの集まり。メラニン色素を含み黒くみえる。
  • 黒質線条体路:黒質緻密部 → 線条体(被殻+尾状核)。
  • 線条体=被殻+尾状核/レンズ核=被殻+淡蒼球。被殻がどちらにも入る点に注意。
  • この経路の変性がParkinson病(無動・筋強剛・静止時振戦)。
  • 紛らわしい核の連絡:歯状核→対側赤核・視床、下オリーブ核→対側小脳皮質、赤核→赤核脊髄路。
比較表
部位主な線維連絡
黒質(緻密部)中脳線条体(被殻・尾状核)へドーパミン作動性に投射
被殻大脳基底核(線条体)黒質・大脳皮質からの入力を受ける
赤核中脳小脳・皮質から入力を受け、赤核脊髄路を出す
歯状核小脳上小脳脚を通り対側の赤核・視床へ出力
下オリーブ核延髄登上線維として対側の小脳皮質へ投射
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