学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §7 生殖器系 / QJ28A070

理由で解く 柔道整復師

QJ28A070 解剖学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問70
問題
精巣導帯に相当するのはどれか。
選択肢
1 卵管
2 卵巣堤索
3 子宮広間膜
4 子宮円索
解答
正解4(子宮円索)
解説

精巣導帯に相当するのは子宮円索です(近位側は卵巣固有索として残ります)。男女で同じもとから生じた構造を対応させる問題です。

胎生期、精巣と卵巣はともに後腹壁の高さで発生し、その下端から鼠径部へ向かう索状の導帯(精巣導帯・卵巣導帯)に導かれて下降します。男性では精巣が鼠径管を通って陰嚢まで下り、導帯は精巣下端と陰嚢底を結ぶ痕跡として残ります。女性では下降が骨盤内で止まり、導帯は卵巣と子宮を結ぶ卵巣固有索と、子宮の外側から鼠径管を通って大陰唇に至る子宮円索の2つに分かれて残ります。選択肢のなかで導帯に相当するのは子宮円索です。なお精管は中腎管(ウォルフ管)由来、卵管は中腎傍管(ミュラー管)由来であり、この2つは相同ではありません。男女の相同器官(精巣↔卵巣、精巣導帯↔卵巣固有索+子宮円索、陰嚢↔大陰唇、陰茎亀頭↔陰核亀頭)は、発生の由来をたどって整理すると混乱しません。

✗ 1. 誤り
卵管
中腎傍管(ミュラー管)から生じ、卵子を運ぶ管です。導帯とは由来も役割も異なります(男性の精管は中腎管由来で、卵管とは相同ではありません)。
✗ 2. 誤り
卵巣堤索
卵巣提索(卵巣提靱帯)のことで、卵巣を骨盤壁につなぎ卵巣動静脈が通る腹膜のヒダです。導帯の名残ではありません。名前が似ている卵巣固有索(導帯の近位部)と区別しましょう。
✗ 3. 誤り
子宮広間膜
子宮の左右に広がる腹膜のヒダで、子宮・卵管・卵巣を支えます。索状の構造ではなく、導帯には相当しません。
✓ 4. 正しい
子宮円索
導帯の遠位部にあたり、子宮の外側から鼠径管を通って大陰唇に達します。近位部は卵巣固有索として残ります。
ポイント
  • 精巣導帯=女性では卵巣固有索+子宮円索に相当。選択肢としては子宮円索が答えになる。
  • 子宮円索は鼠径管を通って大陰唇に達する。男性の精巣が鼠径管を通る経路と対応する。
  • 卵巣提索(卵巣堤索)は卵巣動静脈の通り道で、導帯とは別物。
  • 精管・精嚢は中腎管(ウォルフ管)由来、卵管・子宮・腟上部は中腎傍管(ミュラー管)由来。精管と卵管は相同ではない。
  • 相同器官は「同じもとから何になったか」で表にして覚える。
比較表
もとになる構造男性女性
生殖腺精巣卵巣
導帯精巣導帯(陰嚢底へ)卵巣固有索+子宮円索
中腎管(ウォルフ管)精巣上体管・精管・精嚢ほぼ退化
中腎傍管(ミュラー管)ほぼ退化卵管・子宮・腟上部
陰唇陰嚢隆起陰嚢大陰唇
生殖結節陰茎亀頭陰核亀頭
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