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理由で解く 柔道整復師

QJ28A068 解剖学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問68
問題
腎臓の髄質にみられるのはどれか。
選択肢
1 糸球体
2 近位曲尿細管
3 遠位曲尿細管
4 ヘンレのワナ
解答
正解4(ヘンレのワナ)
解説

髄質へ入り込むのはヘンレのワナ(と集合管)です。糸球体・近位曲尿細管・遠位曲尿細管は皮質にとどまります。

腎臓は外側の皮質と内側の髄質(腎錐体)に分かれます。ネフロンは腎小体(糸球体+ボーマン嚢)と尿細管からなり、腎小体・近位曲尿細管・遠位曲尿細管は皮質に、ヘンレのワナは髄質へ下りてUターンして皮質へ戻ります。このワナの下行脚は水をよく通し、上行脚は水を通さずNaClを汲み出すため、髄質に深いほど濃い浸透圧の勾配ができます(対向流増幅系)。その結果、髄質を貫いて走る集合管を通る尿から水が引き抜かれ、濃縮尿ができます。髄質に長く伸びる傍髄質ネフロンほど尿の濃縮に大きく寄与します。「なぜ髄質まで下りる必要があるのか」を尿の濃縮と結びつけると、位置が記憶に残ります。

✗ 1. 誤り
糸球体
腎小体の一部として皮質にあります。輸入細動脈と輸出細動脈が出入りする毛細血管の塊で、ろ過を担います。
✗ 2. 誤り
近位曲尿細管
皮質にあります。ブドウ糖・アミノ酸・Na⁺・水など原尿成分の大部分をここで再吸収します。
✗ 3. 誤り
遠位曲尿細管
皮質にあります。アルドステロンやパラトルモンの作用を受けてNa⁺やCa²⁺の再吸収を調節し、緻密斑を介して自分の腎小体と接します(傍糸球体装置)。
✓ 4. 正しい
ヘンレのワナ
皮質から髄質へ下行し、Uターンして皮質へ戻ります。髄質の浸透圧勾配をつくり、尿の濃縮に不可欠です。
ポイント
  • 皮質にあるもの=腎小体(糸球体+ボーマン嚢)・近位曲尿細管・遠位曲尿細管。
  • 髄質にあるもの=ヘンレのワナ・集合管・直血管(下行直細動脈と上行直細静脈)。
  • ヘンレのワナ下行脚は水を通し、上行脚はNaClを汲み出す=対向流増幅系で髄質に浸透圧勾配ができる。
  • 集合管はバソプレシンの作用で水を再吸収し、濃縮尿をつくる。
  • 傍髄質ネフロンはワナが長く、尿の濃縮への寄与が大きい。腎臓の断面図で走行をたどって確認する。
比較表
部位存在する場所主な働き
腎小体(糸球体)皮質血漿のろ過
近位曲尿細管皮質ブドウ糖・アミノ酸・Na⁺・水の大部分を再吸収
ヘンレのワナ髄質髄質の浸透圧勾配をつくる(尿の濃縮)
遠位曲尿細管皮質Na⁺・Ca²⁺再吸収の調節、緻密斑
集合管皮質から髄質を貫くバソプレシンによる水の再吸収
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