学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ28A059

理由で解く 柔道整復師

QJ28A059 解剖学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問59
問題
閉鎖動脈と関わりがあるのはどれか。
選択肢
1 坐骨大腿靱帯
2 大腿骨頭靱帯
3 恥骨大腿靱帯
4 腸骨大腿靱帯
解答
正解2(大腿骨頭靱帯)
解説

大腿骨頭靱帯の中を、閉鎖動脈の枝である寛骨臼枝(大腿骨頭靱帯動脈)が走って骨頭に血液を届けます。

股関節は寛骨臼と大腿骨頭でつくる臼状関節で、関節包の外側を腸骨大腿靱帯・恥骨大腿靱帯・坐骨大腿靱帯が補強しています。一方、関節腔の中には大腿骨頭窩と寛骨臼窩を結ぶ大腿骨頭靱帯があり、これは力学的な支持よりも血管の通り道としての意味が大きい構造です。ここを閉鎖動脈の寛骨臼枝が通って骨頭に達します。成人では骨頭の血流の大半を内側大腿回旋動脈などに由来する支帯動脈が担うため、関節包内で起こる大腿骨頸部内側骨折では血流が絶たれ、骨頭壊死や偽関節を起こしやすくなります。小児では大腿骨頭靱帯を通る血管の寄与が相対的に大きいことも知られています。この血流の解剖が、頸部骨折の予後を理解する土台になります。

✗ 1. 誤り
坐骨大腿靱帯
坐骨体から起こり関節包の後面を補強する靱帯で、主に内旋を制限します。血管の通路ではありません。
✓ 2. 正しい
大腿骨頭靱帯
関節腔内を走り、閉鎖動脈の寛骨臼枝(大腿骨頭靱帯動脈)を含みます。骨頭への血液供給路のひとつです。
✗ 3. 誤り
恥骨大腿靱帯
恥骨上枝から起こり関節包の前下面を補強し、外転と外旋を制限します。関節包外の補強靱帯です。
✗ 4. 誤り
腸骨大腿靱帯
下前腸骨棘から転子間線へ張るY字型の靱帯で人体で最も強く、伸展と外旋を制限して立位保持に働きます(ビゲロー靱帯)。血管を通す靱帯ではありません。
ポイント
  • 大腿骨頭靱帯=関節腔内を走り、閉鎖動脈の寛骨臼枝を通す。
  • 関節包外の補強靱帯は腸骨大腿・恥骨大腿・坐骨大腿の3つ。
  • 腸骨大腿靱帯は人体最強で伸展を制限。坐骨大腿靱帯は内旋を制限。
  • 成人の骨頭血流の主体は内側大腿回旋動脈由来の支帯動脈。頸部内側骨折で骨頭壊死が起こりやすい理由。
  • 靱帯を覚えるときは「どの骨から」「関節包の前か後か」「どの動きを止めるか」を三点セットで確認する。
比較表
靱帯位置働き・特徴
腸骨大腿靱帯関節包前面(下前腸骨棘→転子間線)人体最強。伸展・外旋を制限
恥骨大腿靱帯関節包前下面外転・外旋を制限
坐骨大腿靱帯関節包後面内旋を制限
大腿骨頭靱帯関節腔内(寛骨臼窩→大腿骨頭窩)閉鎖動脈の寛骨臼枝を通す
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