学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ28A057

理由で解く 柔道整復師

QJ28A057 解剖学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問57
問題
胸郭で正しいのはどれか。
選択肢
1 肋骨は長管骨に分類される。
2 第10胸椎は下肋骨窩を欠く。
3 胸骨の肋骨切痕は12対ある。
4 胸骨角は第 2胸椎の高さにある。
解答
正解2(第10胸椎は下肋骨窩を欠く。)
解説

胸椎の肋骨窩は「上下2個ペア」が基本ですが、上端と下端で例外が出ます。第10胸椎は上肋骨窩だけを持ち下肋骨窩を欠くため、正答は2です。

第2〜第9胸椎は椎体の上縁に上肋骨窩、下縁に下肋骨窩があり、上下2つの椎体がはさむ形で1本の肋骨頭と関節をつくります(肋骨頭が2椎体にまたがる)。したがって1つの椎体は、上肋骨窩で同番号の肋骨を、下肋骨窩で1つ下の番号の肋骨を受けることになります(例:第5胸椎は上肋骨窩で第5肋骨、下肋骨窩で第6肋骨と関節)。この規則が崩れるのが両端です。第1胸椎は第1肋骨を単独で受ける全肋骨窩と、第2肋骨のための下肋骨窩を持ちます。下端では第11・第12肋骨がそれぞれ同番号の椎体だけと関節するため、第11・第12胸椎は全肋骨窩を1対持つのみです。その手前の第10胸椎は第10肋骨を受ける上肋骨窩だけを持ち、下に受けるべき肋骨(第11肋骨は第11胸椎と単独で関節する)がないので下肋骨窩を欠きます。「肋骨頭が2椎体にまたがるかどうか」を基準に考えると、丸暗記せずに導けます。

✓ 2. 正しい
第10胸椎は下肋骨窩を欠く。
第11・第12肋骨は肋骨頭が2椎体にまたがらず、同番号の椎体だけと関節します。そのため第10胸椎の下縁には肋骨を受ける面が不要となり、第10肋骨を受ける上肋骨窩のみを持って下肋骨窩を欠きます。第10胸椎は「上下ペアの規則が終わる境目」として押さえてください。
✗ 1. 誤り
肋骨は長管骨に分類される。
肋骨は薄く弯曲した扁平骨に分類されます。長管骨(長骨)は上腕骨・大腿骨のように骨幹に髄腔を持つ管状の骨で、肋骨はこの形態を取りません。「扁平骨=頭蓋冠の骨・肩甲骨・肋骨・胸骨・寛骨」とグループでまとめて覚えると、骨の分類問題に一気に対応できます。
✗ 3. 誤り
胸骨の肋骨切痕は12対ある。
胸骨に肋軟骨を介して直接つながるのは第1〜第7肋骨(真肋)で、肋骨切痕は7対です。第8〜第10肋骨は上位の肋軟骨に付く仮肋、第11・第12肋骨は前端が遊離する浮肋なので、胸骨に切痕を持ちません。「肋骨は12対でも胸骨につくのは7対」と数を分けて覚えましょう。
✗ 4. 誤り
胸骨角は第 2胸椎の高さにある。
胸骨角は胸骨柄と胸骨体の境の隆起で、前面では第2肋軟骨が付着する高さの目印になります。背側では第4〜第5胸椎の高さに相当し、気管分岐部や大動脈弓の起始・終末のレベルとしても使われます。「前は第2肋軟骨、後ろは第4〜5胸椎」と前後で数字が違う点をセットで記憶してください。
ポイント
  • 第2〜第9胸椎=上肋骨窩(同番号の肋骨)+下肋骨窩(1つ下の番号の肋骨)。肋骨頭が2椎体にまたがるため、1本の肋骨を上下2椎体で分担して受ける。
  • 第1胸椎=全肋骨窩(第1肋骨を単独で受ける)+下肋骨窩(第2肋骨用)/第10胸椎=上肋骨窩のみ(下肋骨窩を欠く)/第11・12胸椎=全肋骨窩1対のみ。
  • 第10胸椎が下肋骨窩を欠く理由=第11肋骨が第11胸椎と単独で関節し、2椎体にまたがらないため受ける面が要らない。
  • 肋骨は扁平骨。長管骨ではない。
  • 胸骨の肋骨切痕は7対(真肋=第1〜7)。仮肋=第8〜10、浮肋=第11・12。
  • 胸骨角=前面は第2肋軟骨の高さ、背側は第4〜5胸椎の高さ(気管分岐部のレベル)。
比較表
胸椎肋骨窩関節する肋骨(どの窩が何番を受けるか)
第1胸椎全肋骨窩+下肋骨窩全肋骨窩=第1肋骨(単独で受ける)/下肋骨窩=第2肋骨(第2胸椎と分担)
第2〜第9胸椎上肋骨窩+下肋骨窩上肋骨窩=同番号の肋骨/下肋骨窩=1つ下の番号の肋骨(例:第5胸椎は第5・第6肋骨と関節)
第10胸椎上肋骨窩のみ(下肋骨窩を欠く)上肋骨窩=第10肋骨のみ。第11肋骨は第11胸椎と単独で関節するため下肋骨窩が不要
第11・第12胸椎全肋骨窩1対のみ第11・第12肋骨をそれぞれ単独で受ける(2椎体にまたがらない)
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