学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ28A056

理由で解く 柔道整復師

QJ28A056 解剖学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問56
問題
椎間円板で正しいのはどれか。
選択肢
1 硝子軟骨を含む。
2 老化により肥厚する。
3 髄核は70~80%の水分を含む。
4 後面で黄色靱帯と接する。
解答
正解3(髄核は70~80%の水分を含む。)
解説

椎間円板は外側の線維輪(線維軟骨)と中心の髄核からなり、髄核は水をたっぷり抱え込んだゲル状の組織です。含水率はおよそ70〜80%とされ、正答は3です。

椎間円板は椎体と椎体をつなぐ線維軟骨性の結合です。外周の線維輪が同心円状のコラーゲン線維層で圧迫と捻れを受け止め、中心の髄核が水を保持して内圧を保ち、荷重を全方向へ均等に逃がします。髄核が水を保てるのはプロテオグリカンが豊富で、その陰性荷電が水分子を引き寄せるためです。加齢とともにプロテオグリカンが減ると保水力が落ち、椎間円板は薄く弾力のないものへ変化していきます。位置関係も一緒に押さえましょう。椎体と椎間円板の前面を前縦靱帯、後面を後縦靱帯が縦走して覆い、黄色靱帯は上下の椎弓の間を結ぶので椎間円板には接しません。

✓ 3. 正しい
髄核は70~80%の水分を含む。
髄核は胎生期の脊索の遺残に由来するゲル状組織で、プロテオグリカンの保水作用により若年者では約80%、加齢に伴って70%前後まで低下します。設問の「70〜80%」はこの範囲に合致します。「髄核は水枕」とイメージし、水分量の数字とセットで覚えてください。
✗ 1. 誤り
硝子軟骨を含む。
柔道整復師の教科書では、椎間円板は線維輪(線維軟骨)髄核の2要素で説明されます。線維軟骨はコラーゲン線維束が密で肉眼でも線維が見分けられ、関節軟骨・肋軟骨・気管軟骨などの硝子軟骨とは別物です。椎体の上下面を覆う軟骨終板は椎体側の構造として扱われるため、この整理では椎間円板の構成成分として硝子軟骨は挙げません。したがって本問では「硝子軟骨を含む」は誤りとなります。「椎間円板・関節円板・恥骨結合=線維軟骨」と3点セットで固めておきましょう。
✗ 2. 誤り
老化により肥厚する。
加齢では髄核のプロテオグリカンが減って保水力が落ち、内圧が下がるため、椎間円板は肥厚ではなく菲薄化します。高齢で身長が低くなるのは、この菲薄化が全椎間で積み重なることが一因です。「加齢=水が抜けて薄くなる」と方向をそろえて記憶してください。
✗ 4. 誤り
後面で黄色靱帯と接する。
椎間円板の後面に接するのは後縦靱帯です。黄色靱帯は上下の椎弓の間を結んで脊柱管の後外側壁をつくるため、椎間円板とは離れています。「前縦・後縦は椎体と椎間円板に沿う縦の帯、黄色靱帯は椎弓と椎弓のつなぎ」と、付着する骨の部位で区別しましょう。
ポイント
  • 椎間円板は線維輪(線維軟骨)+髄核の2要素で押さえる(椎体上下面の軟骨終板は椎体側の構造として扱う)。
  • 髄核の水分はおよそ70〜80%。プロテオグリカンの陰性荷電が水を引き寄せる。
  • 加齢では保水力が落ちて薄くなる(肥厚しない)。身長低下の一因。
  • 前面=前縦靱帯、後面=後縦靱帯が接する。黄色靱帯は椎弓間なので接しない。
  • 後縦靱帯は後方正中で幅が狭く、髄核は後外側へ脱出しやすい(椎間板ヘルニアの好発方向)。
比較表
靱帯走る場所椎間円板との関係
前縦靱帯椎体と椎間円板の前面を縦走前面で接する
後縦靱帯椎体と椎間円板の後面(脊柱管の前壁)を縦走後面で接する
黄色靱帯上下の椎弓の間(脊柱管の後外側壁)接しない
棘間靱帯・棘上靱帯棘突起の間・棘突起の先端接しない
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