学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §1 リハビリテーションの概念と歴史 / QJ27P014

理由で解く 柔道整復師

QJ27P014 リハビリテーション医学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問14
問題
リハビリテーションの目的はどれか。2つ選べ。
選択肢
1 病気の治癒
2 障がい者の保護
3 日常生活動作の自立
4 障がい者の社会復帰
解答
正解3(日常生活動作の自立)、4(障がい者の社会復帰)
解説

リハビリテーションは病気そのものを治す営みではなく、残った能力を最大限に活かして日常生活動作(ADL)の自立と社会復帰を実現する営みです。したがって正答は3と4の2つです。

リハビリテーション(re-habilitation)という語は「再び適した状態にする」を意味し、単なる機能訓練ではなく、その人が持つ生活者・社会人としての権利と立場を回復することを指します。対象は疾病そのものではなく、疾病の結果として生じた障害です。国際生活機能分類(ICF)では「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3層で人の生活機能をとらえ、リハは活動(=ADL)と参加(=社会復帰)に重点を置きます。領域としては医学的・職業的・社会的・教育的リハビリテーションの4分野があり、いずれも自立と社会参加を最終目標に据えます。障害のある人を保護の対象として囲い込むのではなく、地域で共に暮らせる条件を整えるノーマライゼーションの考え方が土台にあります。

✓ 3. 正しい
日常生活動作の自立
食事・整容・更衣・排泄・入浴・移動といったADLが自分で行えることは、生活の再建の土台であり、リハビリテーションの中核的な目標です。
✓ 4. 正しい
障がい者の社会復帰
家庭・職場・地域といった社会の場に戻り、役割を持って参加できることが最終目標です。ICFでいう「参加」にあたり、職業的・社会的リハビリテーションが担います。
✗ 1. 誤り
病気の治癒
疾病を治すことは治療医学の目標です。原疾患の治療はもちろん並行して行いますが、疾患が治癒しない場合でも、残った障害とともに生活を組み立て直せるようにするのがリハビリテーションの役割です。
✗ 2. 誤り
障がい者の保護
目指すのは保護や隔離ではなく、自立と社会参加です。必要な支援(装具・住宅改修・福祉サービス・就労支援)は、本人が自分で選び自分で行える範囲を広げるために用います。
ポイント
  • リハビリテーションの対象は「疾病」ではなく「障害」。治療医学とは目標が違う。
  • 目標はADLの自立と社会参加(社会復帰)、そしてQOLの向上。
  • 領域は医学的・職業的・社会的・教育的リハビリテーションの4分野。
  • ICFでは心身機能・活動・参加の3層でとらえ、リハは活動と参加に重点を置く。
  • 保護ではなく自立支援。ノーマライゼーションが土台の考え方。
比較表
治療医学とリハビリテーション医学の対比
治療医学リハビリテーション医学
対象疾病そのもの疾病の結果生じた障害(機能・活動・参加)
目標治癒・救命ADL自立・社会復帰・QOL向上
主な手段薬物療法・手術運動療法・ADL訓練・装具・環境調整・職業訓練
時期主に急性期急性期から回復期・生活期まで継続
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。