学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §3 リハビリテーション医学の基礎医学 / QJ27P015

理由で解く 柔道整復師

QJ27P015 リハビリテーション医学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問15
問題
前脛骨筋の筋力低下を生じるのはどれか。
選択肢
1 第2仙骨神経麻痺
2 第2腰神経麻痺
3 腓骨神経麻痺
4 脛骨神経麻痺
解答
正解3(腓骨神経麻痺)
解説

前脛骨筋は深腓骨神経(髄節はL4・L5)に支配されます。したがって腓骨神経麻痺で筋力が落ち、足関節の背屈ができない下垂足となります。

前脛骨筋は脛骨外側面から起こり、内側楔状骨と第1中足骨底に停止する、足関節背屈と内がえしの主動筋です。総腓骨神経は腓骨頭の後ろを回り込んで腓骨頸部で浅腓骨神経と深腓骨神経に分かれ、深腓骨神経が前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋を、浅腓骨神経が腓骨筋群を支配します。腓骨頸部は骨のすぐ上を神経が皮下浅く走るため圧迫に弱く、ギプスや包帯の締めつけ、下肢が外旋位のままの長時間臥床、腓骨頭骨折、膝周囲の手術などで麻痺を起こしやすい部位です。麻痺すると足関節背屈ができず、つま先が下がって床に引っかかるため、膝を高く上げる鶏歩となり、第1・第2趾間背側の感覚障害を伴います。予防としては下腿外側の圧迫を避けて枕で下肢を中間位に保ち、生じた場合は短下肢装具で背屈を補助して歩容と転倒リスクを改善します。

✓ 3. 正しい
腓骨神経麻痺
前脛骨筋は総腓骨神経の枝である深腓骨神経の支配です。腓骨頸部での絞扼や圧迫で麻痺すると背屈力が失われ、下垂足・鶏歩を生じます。
✗ 1. 誤り
第2仙骨神経麻痺
S2は下腿後面や足底の内在筋・足趾屈筋に関与する髄節です。前脛骨筋の髄節はL4・L5であり、S2の障害では背屈力は落ちません。
✗ 2. 誤り
第2腰神経麻痺
L2は腸腰筋による股関節屈曲や大腿前面の感覚を担う髄節で、足関節の運動には関与しません。
✗ 4. 誤り
脛骨神経麻痺
脛骨神経は下腿三頭筋・後脛骨筋・長趾屈筋など下腿後面を支配します。麻痺すると底屈と内がえしが障害されてつま先立ちができなくなり、踵足や鉤爪趾、足底の感覚障害を生じます。背屈は保たれるため、方向が逆です。
ポイント
  • 前脛骨筋=深腓骨神経支配(L4・L5)。働きは足関節背屈+内がえし。
  • 腓骨神経麻痺の三徴は下垂足・鶏歩・第1第2趾間背側の感覚障害。
  • 絞扼部位は腓骨頸部。ギプス・包帯の圧迫、下肢外旋位での長時間臥床が誘因になる。
  • 予防は下腿外側の除圧と下肢を中間位に保つポジショニング。発症後は短下肢装具で背屈を補う。
  • 脛骨神経麻痺は逆に底屈障害(踵足・鉤爪趾・足底の感覚障害)となる。
比較表
腓骨神経麻痺と脛骨神経麻痺
腓骨神経麻痺脛骨神経麻痺
主な支配筋前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、腓骨筋群下腿三頭筋、後脛骨筋、長趾屈筋、足底筋群
障害される動き足関節背屈・外がえし足関節底屈・内がえし・足趾屈曲
変形・歩容下垂足、鶏歩踵足、鉤爪趾、つま先立ち不能
感覚障害下腿外側〜足背、第1・2趾間足底
絞扼されやすい部位腓骨頸部足根管
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