学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §3 病因 / QJ27A097

理由で解く 柔道整復師

QJ27A097 病理学概論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問97
問題
内因と疾患の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 乳児期-肝細胞癌
2 女性-全身性エリテマトーデス
3 日本人-前立腺癌
4 成長ホルモンの分泌異常-クッシング(Cushing) 病
解答
正解2(女性-全身性エリテマトーデス)
解説

内因(素因)とは年齢・性・人種・遺伝素因・内分泌状態など、生体側がもともと持つ発症要因のことです。この視点で照合すると、女性と全身性エリテマトーデス(SLE)の組合せだけが正しく、他の3つは年齢・人種・ホルモンの対応がずれています。

病因は内因と外因に大別され、外因が病原体・化学物質・物理的作用・栄養など環境側の要因であるのに対し、内因は個体側の受け入れやすさを決めます。組合せ問題では「その内因が本当にその疾患の好発条件になっているか」を一つずつ検算するのが確実です。SLEは20〜40歳代の女性に好発し、男女比はおよそ1対9と性差が際立つため、性という内因の代表例として繰り返し出題されます。誤りの肢も、正しい対応(乳児期なら肝芽腫、日本人なら胃癌、クッシング病ならACTH)に置き換えて覚え直すと一度に4項目が得点源になります。

✓ 2. 正しい
女性-全身性エリテマトーデス
SLEは20〜40歳代の妊娠可能年齢の女性に好発し、男女比はおよそ1対9です。性ホルモンが免疫応答を修飾することが背景と考えられており、「性」という内因が発症に強く関わる典型例です。抗核抗体をはじめとする自己抗体と免疫複合体沈着による多臓器障害(蝶形紅斑、腎炎、漿膜炎など)を起こします。
✗ 1. 誤り
乳児期-肝細胞癌
年齢という内因と疾患の対応がずれています。乳幼児期の肝原発悪性腫瘍は肝芽腫であり、肝細胞癌はB型・C型肝炎ウイルス感染や肝硬変を背景に成人(中高年)に発生します。小児期に多い腫瘍としては神経芽腫、腎芽腫(ウィルムス腫瘍)、網膜芽細胞腫、白血病もあわせて整理しておきましょう。
✗ 3. 誤り
日本人-前立腺癌
人種という内因の対応が逆です。前立腺癌は欧米、とくにアフリカ系の人に多く、日本人を含む東アジアでは相対的に低頻度でした。日本人に多いとされてきたのは胃癌で、塩蔵食品の摂取やヘリコバクター・ピロリ感染率の高さが背景です。
✗ 4. 誤り
成長ホルモンの分泌異常-クッシング(Cushing) 病
ホルモンの対応がずれています。クッシング病は下垂体前葉のACTH産生腺腫によりコルチゾールが過剰となる病態で、中心性肥満・満月様顔貌・野牛肩・皮膚線条・高血糖などをきたします。成長ホルモンの過剰分泌で起こるのは、骨端線閉鎖前なら巨人症、閉鎖後なら先端巨大症です。
ポイント
  • 内因=年齢・性・人種・遺伝素因・内分泌状態など個体側の要因。外因=病原体・化学物質・物理的作用・栄養など環境側の要因。
  • SLEは20〜40歳代女性に好発(男女比およそ1対9)。「性」が効く疾患の筆頭。
  • 年齢の対応:乳幼児は肝芽腫・神経芽腫・腎芽腫、成人以降が肝細胞癌。
  • 人種の対応:前立腺癌は欧米に多く、胃癌は日本人に多い。
  • 下垂体の対応:ACTH過剰=クッシング病、成長ホルモン過剰=巨人症/先端巨大症。
比較表
内因選択肢の組合せ正しい対応
年齢乳児期 — 肝細胞癌乳児期 — 肝芽腫/肝細胞癌は成人(肝炎・肝硬変背景)
女性 — 全身性エリテマトーデスそのまま正しい(男女比およそ1対9)
人種日本人 — 前立腺癌日本人 — 胃癌/前立腺癌は欧米・アフリカ系に多い
内分泌成長ホルモン分泌異常 — クッシング病ACTH過剰 — クッシング病/成長ホルモン過剰 — 巨人症・先端巨大症
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