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理由で解く 柔道整復師

QJ27A061 生理学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問61
問題
ペプチドホルモンの細胞内から細胞外への移動形式はどれか。
選択肢
1 共輸送
2 単純拡散
3 促通拡散
4 開口分泌
解答
正解4(開口分泌)
解説

ペプチドホルモンは水溶性で分子が大きく、脂質二重層をそのまま通り抜けられない。分泌顆粒ごと細胞膜と融合して中身を外へ出す開口分泌(エキソサイトーシス)が答えである。

ペプチドホルモンは粗面小胞体で合成され、ゴルジ装置で加工されたのち分泌顆粒に詰めて貯蔵される。分泌刺激が届くと細胞内Ca2+濃度が上がり、顆粒膜が細胞膜と融合して内容物が一気に細胞外へ放出される。あらかじめ蓄えた分を出す仕組みなので反応が速いのが特徴である。対照的にステロイドホルモンは脂溶性のため貯蔵されず、合成されたそばから単純拡散で膜を通り抜けて出ていく。「水溶性ホルモン=開口分泌で分泌し、細胞膜受容体に結合」「脂溶性ホルモン=単純拡散で分泌し、細胞内受容体に結合」という対で覚えると、分泌形式も受容体の場所も一度に整理できる。

✓ 4. 正しい
開口分泌
分泌顆粒の膜が細胞膜と融合し、顆粒の中身を細胞外へ放出する形式。膜を通過させる必要がないため、ペプチドのような大きな水溶性分子でも外へ出せる。インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、副甲状腺ホルモンなどペプチド・蛋白質性ホルモンはすべてこの方式である。
✗ 1. 誤り
共輸送
1つの輸送体が2種類の溶質を同じ向きに運ぶ二次性能動輸送で、Na+-グルコース共輸送体(SGLT)が代表。輸送体の通り道を通れるのはイオンや単糖、アミノ酸といった小さな分子に限られ、ペプチドホルモンのような大分子は運べない。
✗ 2. 誤り
単純拡散
濃度勾配に従って脂質二重層を直接通り抜ける形式で、O2、CO2、ステロイドホルモン、甲状腺ホルモンなど脂溶性または非常に小さい分子が対象。ペプチドホルモンは水溶性なので脂質二重層をくぐれず、この経路は使えない。なお、ここでの「脂溶性」はあくまで膜を通過できるかどうかの話であり、貯蔵の有無とは別問題である。ステロイドホルモンは貯蔵されないが、甲状腺ホルモンは例外的に甲状腺濾胞のコロイド中にサイログロブリンと結合した形で数か月分が貯蔵される。
✗ 3. 誤り
促通拡散
チャネルや輸送体(担体)を介して濃度勾配に従って移動する受動輸送で、GLUTによるグルコース輸送などが該当する。エネルギーは不要だが、やはり運べるのは小分子であり、ペプチドホルモンの分泌経路にはならない。
ポイント
  • ペプチド・蛋白質性ホルモンは水溶性の大分子 → 開口分泌(エキソサイトーシス)で細胞外へ出る。
  • 粗面小胞体で合成 → ゴルジ装置で加工 → 分泌顆粒に貯蔵 → 細胞内Ca2+上昇で顆粒が細胞膜と融合し放出。
  • ステロイドホルモンは脂溶性 → 貯蔵されず、合成後ただちに単純拡散で膜を通過して分泌される。
  • 甲状腺ホルモンは脂溶性で単純拡散により膜を通過するが、例外的に濾胞コロイド中にサイログロブリンと結合して貯蔵される(数か月分)。
  • 膜を「通り抜ける」のは小分子だけ。共輸送・促通拡散・単純拡散はいずれも大分子には使えない。
  • 水溶性ホルモンの受容体は細胞膜上、脂溶性ホルモンの受容体は細胞内(細胞質・核内)にある。
比較表
形式エネルギー運べるもの代表例
単純拡散不要脂溶性・ごく小さい分子O2、CO2、ステロイドホルモン
促通拡散不要小分子(輸送体・チャネル経由)GLUTによるグルコース輸送
共輸送(二次性能動輸送)Na+勾配を利用イオン・単糖・アミノ酸SGLT1(小腸・腎尿細管)
開口分泌必要(Ca2+依存)大分子・顆粒内容物すべてペプチドホルモン、神経伝達物質
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