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理由で解く 柔道整復師

QJ27A048 解剖学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問48
問題
腎臓で正しいのはどれか。
選択肢
1 腎小体は髄質にある。
2 右腎静脈に右精巣静脈が流入する。
3 腎筋膜は腎臓、副腎を包む。
4 腎洞から弓状動脈が放射状に入る。
解答
正解3(腎筋膜は腎臓、副腎を包む。)
解説

腎筋膜(ゲロタ筋膜)は、脂肪被膜ごと腎臓と副腎をひとまとめに包んで後腹壁に固定します。

腎臓は外側から腎筋膜・脂肪被膜・線維被膜の3層に包まれます。腎筋膜は前葉と後葉が腎臓の外側縁で合わさり、上方では副腎の上で閉じるため、腎臓と副腎が同じ袋に収まります。下方は開いているので、腎周囲の出血や膿は下方へ広がりやすいという臨床的特徴があります。腎実質は外側の皮質と内側の髄質に分かれ、腎小体(糸球体+糸球体嚢)と曲尿細管は皮質に、ヘンレのループと集合管は髄質にあります。血管の順路は、腎動脈→区域動脈→葉間動脈(腎柱の中を外側へ)→弓状動脈(皮質と髄質の境を弓なりに走る)→小葉間動脈(皮質内を放射状に立ち上がる)→輸入細動脈→糸球体、です。名称と走行の向きがセットになっているので、「葉間は腎柱を外へ、弓状は境界を弓なりに、小葉間は皮質を放射状に」と唱えると覚えられます。

✓ 3. 正しい
腎筋膜は腎臓、副腎を包む。
腎筋膜(ゲロタ筋膜)は脂肪被膜の外側にあり、腎臓と副腎をまとめて包んで後腹壁に固定します。腎臓が生理的範囲を超えて下垂しにくいのは、この膜と周囲の脂肪の支えによります。
✗ 1. 誤り
腎小体は髄質にある。
腎小体は皮質に散在します。髄質は腎錐体をつくり、ヘンレのループと集合管が放射状に走って尿を濃縮します。「ろ過は皮質、濃縮は髄質」と機能で覚えると混同しません。
✗ 2. 誤り
右腎静脈に右精巣静脈が流入する。
右精巣(卵巣)静脈は下大静脈へ直接注ぎます。左腎静脈に注ぐのは左精巣(卵巣)静脈です。左腎静脈は腹大動脈をまたぐため長く、上腸間膜動脈との間で圧迫されやすいことが、精索静脈瘤が左に多い理由の1つとされます。
✗ 4. 誤り
腎洞から弓状動脈が放射状に入る。
腎洞から腎柱を通って実質へ入るのは葉間動脈です。弓状動脈は皮質と髄質の境界(腎錐体の底)を弓なりに走り、そこから小葉間動脈が皮質へ放射状に立ち上がります。走行の向きを取り違えないようにしましょう。
ポイント
  • 腎臓の3層=外から腎筋膜(腎臓と副腎を一緒に包む)・脂肪被膜・線維被膜
  • 腎小体と曲尿細管は皮質、ヘンレのループと集合管は髄質(ろ過は皮質、濃縮は髄質)
  • 動脈の順=腎動脈→区域動脈→葉間動脈→弓状動脈→小葉間動脈→輸入細動脈→糸球体
  • 右精巣(卵巣)静脈は下大静脈へ直接、左は左腎静脈へ注ぐ(左右非対称)
  • 腎筋膜は下方が開くため、腎周囲の血腫・膿瘍は下方へ広がりやすい
比較表
動脈走行の向き・場所
葉間動脈腎洞から腎柱の中を外側(皮質方向)へ
弓状動脈皮質と髄質の境界(腎錐体の底)を弓なりに
小葉間動脈皮質の中を表面に向かって放射状に
輸入細動脈小葉間動脈から分かれて糸球体へ入る
輸出細動脈糸球体を出て尿細管周囲毛細血管・直細動脈へ
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