学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §4 消化器系 / QJ27A042

理由で解く 柔道整復師

QJ27A042 解剖学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問42
問題
大腸で最も可動性が乏しい部位はどれか。
選択肢
1 虫垂
2 上行結腸
3 横行結腸
4 S状結腸
解答
正解2(上行結腸)
解説

上行結腸は発生の途中で後腹壁に癒着した二次性後腹膜器官で、腸間膜をもたないため大腸の中で最も動きが小さい部位です。

消化管の可動性は「腸間膜をもつかどうか」で決まります。腸間膜をもち腹膜にほぼ全周を包まれる腹膜内器官(空腸・回腸・虫垂・横行結腸・S状結腸)は自由に動けます。一方、胎生期の腸回転の後に後腹壁と癒合し、前面だけが腹膜に覆われるようになった器官を二次性後腹膜器官といい、十二指腸の下行部以降・上行結腸・下行結腸・膵臓がこれにあたります。上行結腸と下行結腸ははじめ腸間膜をもっていますが、癒合によって固定されるため可動性を失います。臨床では、この固定のおかげで盲腸から上行結腸にかけての位置が比較的一定であり、虫垂炎のマックバーニー圧痛点のような体表投影が意味をもちます。

✓ 2. 正しい
上行結腸
二次性後腹膜器官で、前面と側面のみが腹膜に覆われ、後面は後腹壁に固定されています。腸間膜をもたないため、選択肢の中で最も可動性が乏しい部位です。
✗ 1. 誤り
虫垂
虫垂間膜をもつ腹膜内器官で、よく動きます。位置のばらつきが大きく(骨盤位・盲腸後位など)、虫垂炎の圧痛の出方が一定しない一因になっています。
✗ 3. 誤り
横行結腸
横行結腸間膜をもち、大腸の中で最も可動性が大きい部位です。立位では重力で下垂してU字を描き、体位や腸内容によって位置が大きく変わります。
✗ 4. 誤り
S状結腸
S状結腸間膜をもち、可動性が大きい部位です。腸間膜が長いために軸捻転(S状結腸捻転)を起こしやすいことが知られています。
ポイント
  • 可動性は腸間膜の有無で決まる。腸間膜あり=よく動く、なし(後腹壁に固定)=動かない
  • 腹膜内器官(動く)=胃・空腸・回腸・虫垂・横行結腸・S状結腸・脾臓
  • 二次性後腹膜器官(動かない)=十二指腸下行部以降・上行結腸・下行結腸・膵臓
  • もともとの後腹膜器官=腎臓・副腎・尿管・腹大動脈・下大静脈
  • 可動性が大きいS状結腸は軸捻転を起こしやすい、という臨床上の対応も押さえる
比較表
部位腸間膜可動性
盲腸・虫垂虫垂間膜あり(盲腸は個人差)あり
上行結腸なし(二次性後腹膜)乏しい
横行結腸横行結腸間膜あり大きい
下行結腸なし(二次性後腹膜)乏しい
S状結腸S状結腸間膜あり大きい
直腸なし乏しい
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