学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §39 病理学概論 / QJ27A015

理由で解く 柔道整復師

QJ27A015 必修問題

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問15
問題
悪性腫瘍で誤っているのはどれか。
選択肢
1 膨張性に発育する。
2 発育が速い。
3 形態が不整である。
4 境界が不明瞭である。
解答
正解1(膨張性に発育する。)
解説

膨張性発育は良性腫瘍の特徴で、悪性腫瘍は周囲へ浸潤しながら発育します。答えは1です。

良性腫瘍は周囲組織を押しのけるように大きくなり、多くは線維性の被膜に包まれるため境界が明瞭で、可動性もあります。これに対し悪性腫瘍は周囲組織を壊しながら入り込む浸潤性発育をとるため、被膜がなく境界が不明瞭で、周囲に固着します。さらに細胞は大小不同・核濃染・核分裂像の増加といった異型を示し、正常な組織構築を失います。最大の違いはリンパ行性・血行性の転移を起こす点です。設問は「誤っているもの」を選ぶ形式なので、良性腫瘍の性質が紛れ込んでいる肢を探します。

✓ 1. これが答え(悪性腫瘍の記述として誤り)
膨張性に発育する。
膨張性発育は良性腫瘍の特徴です。悪性腫瘍は周囲組織を破壊しながら入り込む浸潤性発育をとるため、これが設問の答えになります。
✗ 2. 悪性腫瘍の記述として正しい(答えではない)
発育が速い。
細胞分裂が盛んで増殖速度が速いのは悪性腫瘍の特徴です。良性腫瘍は一般に緩やかに発育します。
✗ 3. 悪性腫瘍の記述として正しい(答えではない)
形態が不整である。
細胞異型・構造異型を示し、元の組織の形態から大きく外れるのが悪性腫瘍の特徴です。
✗ 4. 悪性腫瘍の記述として正しい(答えではない)
境界が不明瞭である。
浸潤性発育の結果として被膜を欠き、正常組織との境目がはっきりしません。良性腫瘍は被膜に包まれ境界明瞭です。
ポイント
  • 良性=膨張性発育・被膜あり・境界明瞭・可動性あり・転移しない。
  • 悪性=浸潤性発育・被膜なし・境界不明瞭・固着・転移する
  • 悪性は発育が速く、細胞異型・構造異型が強い。
  • 悪性は再発しやすく、悪液質など全身への影響を及ぼす。
  • 転移の有無が良性・悪性を分ける決定的な指標。
比較表
項目良性腫瘍悪性腫瘍
発育様式膨張性浸潤性
発育速度緩やか速い
被膜・境界被膜あり・明瞭被膜なし・不明瞭
異型性乏しい強い(形態不整)
転移しないする
全身への影響少ない悪液質など大きい
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