学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §38 運動学 / QJ27A004

理由で解く 柔道整復師

QJ27A004 必修問題

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問4
問題
股関節の外転に働く筋の支配神経はどれか。
選択肢
1 上殿神経
2 下殿神経
3 坐骨神経
4 閉鎖神経
解答
正解1(上殿神経)
解説

股関節を外転させる主役は中殿筋・小殿筋で、大腿筋膜張筋がこれを補助する。この3筋はまとめて上殿神経に支配される。

殿部の筋は「どの孔から出た神経が支配するか」で二分される。上殿神経(L4〜S1)は大坐骨孔のうち梨状筋の上(梨状筋上孔)を通って骨盤外へ出て、中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋へ枝を送る。下殿神経(L5〜S2)は梨状筋の下(梨状筋下孔)を通り、大殿筋だけを支配する。つまり「外転=上殿神経、伸展=下殿神経、内転=閉鎖神経、屈曲=腸腰筋」と運動方向と筋・神経をセットで覚えれば、この型の問題は迷わない。ただし屈曲の腸腰筋を「大腿神経支配」と一括りにしないこと。腸骨筋は大腿神経の支配だが、大腰筋は腰神経叢の枝(L1〜L3)が直接支配するので、解剖学ではこの区別がそのまま問われる。臨床的にも重要で、上殿神経が障害されて中殿筋が働かなくなると、患側で片脚立位をとったときに骨盤を水平に保てず、健側(遊脚側)の骨盤が下がるトレンデレンブルグ徴候が現れる(健側で立てば骨盤は水平に保たれる)。

✓ 1. 正しい
上殿神経
中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋を支配する。中殿筋と小殿筋が股関節外転の主働筋であり、大腿筋膜張筋も外転を補助する。したがって外転筋群の支配神経は上殿神経である。
✗ 2. 誤り
下殿神経
支配するのは大殿筋のみで、その主な作用は股関節の伸展と外旋である。大殿筋の上部線維は外転を補助するが、外転の主働筋を支配する神経とはいえない。
✗ 3. 誤り
坐骨神経
大腿後面のハムストリング(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)と大内転筋の一部を支配し、以後は下腿・足へ向かう。股関節では伸展、膝関節では屈曲に働く神経であり、外転には関与しない。
✗ 4. 誤り
閉鎖神経
長内転筋・短内転筋・大内転筋・薄筋・外閉鎖筋といった内転筋群を支配する。作用は股関節の内転で、外転とはちょうど反対の動きになる。
ポイント
  • 股関節外転の主働筋は中殿筋・小殿筋、補助が大腿筋膜張筋。3筋とも上殿神経(L4〜S1)支配。
  • 上殿神経は梨状筋上孔、下殿神経は梨状筋下孔を通って骨盤外へ出る。
  • 下殿神経が支配するのは大殿筋のみで、作用は伸展・外旋。
  • 閉鎖神経=内転筋群=内転。外転の拮抗筋を支配すると覚える。
  • 屈曲は腸腰筋。ただし「屈曲=大腿神経」と丸暗記しない。腸骨筋=大腿神経支配、大腰筋=腰神経叢の枝(L1〜L3)の直接支配
  • 上殿神経障害(中殿筋麻痺)ではトレンデレンブルグ徴候患側で片脚立位をとると健側(遊脚側)の骨盤が下がる
比較表
神経主な支配筋股関節での主な作用
上殿神経中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋外転(内旋も補助)
下殿神経大殿筋伸展・外旋
坐骨神経ハムストリング、大内転筋の一部伸展(膝は屈曲)
閉鎖神経長内転筋・短内転筋・大内転筋・薄筋・外閉鎖筋内転
大腿神経腸骨筋・大腿四頭筋・縫工筋(大腰筋は大腿神経ではなく腰神経叢の枝L1〜L3が直接支配屈曲(膝は伸展)
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