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理由で解く 柔道整復師

QJ26A063 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問63
問題
肥満細胞と結合してヒスタミンを遊離する免疫グロブリンはどれか。
選択肢
1 IgA
2 IgE
3 IgG
4 IgM
解答
正解2(IgE)
解説

肥満細胞(マスト細胞)や好塩基球の表面に結合して待機し、抗原が来ると架橋されてヒスタミンを遊離させる免疫グロブリンはIgEである。I型(即時型)アレルギーの主役にあたる。

免疫グロブリンはIgG・IgA・IgM・IgD・IgEの5クラスに分けられる。IgEは血清中の量が最も少ないが、そのFc部分が組織の肥満細胞や血中の好塩基球にある高親和性Fcε受容体に結合し、細胞表面にアンテナのように貼り付いて待機する(感作の成立)。ここに同じアレルゲンが再び侵入して隣り合う2分子のIgEを橋渡し(架橋)すると、細胞内でCa²⁺が上昇して脱顆粒が起こり、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が一気に放出される。ヒスタミンは細血管を拡張して透過性を高め、気管支平滑筋を収縮させ、腺分泌を増やすため、くしゃみ・鼻汁・膨疹・気管支喘息発作が生じ、重症ではアナフィラキシーショックに至る。IgEは本来、寄生虫感染に対する防御を担う抗体である。

✓ 2. 正しい
IgE
抗原と出会う前にあらかじめ肥満細胞・好塩基球に結合しておく点が、他のクラスと決定的に異なる。この「先に細胞に載っている」性質があるため、二度目の曝露で数分以内に反応が起こる(即時型)。花粉症やアトピー性疾患では血中IgEが上昇する。
✗ 1. 誤り
IgA
2分子が結合した分泌型として唾液・涙液・鼻汁・腸液・初乳などに多く含まれ、粘膜表面で病原体の付着・侵入を防ぐ局所免疫の主役。肥満細胞に結合してヒスタミンを遊離させる働きはない。
✗ 3. 誤り
IgG
血清中の免疫グロブリンの約7〜8割を占め最も多い。単量体で、5クラス中で唯一胎盤を通過して胎児・新生児を守る。オプソニンとして貪食を助け、補体も活性化する。二次応答(既往感染後やワクチン後)の主体となる抗体である。
✗ 4. 誤り
IgM
5分子が結合した五量体で分子量が最大。感染初期の一次応答で最初に産生され、補体を活性化する力が最も強い。分子が大きいため胎盤は通過しない。ABO血液型の抗A・抗B抗体もこのクラスである。
ポイント
  • IgE=肥満細胞・好塩基球に結合 → 抗原による架橋 → 脱顆粒 → ヒスタミン遊離 → I型(即時型)アレルギー。この流れを一本の線で覚える。
  • 血中濃度は IgG > IgA > IgM > IgD > IgE。IgEは最も少ないが作用は強力。
  • 胎盤を通過するのはIgGだけ。母乳(とくに初乳)に多いのはIgA
  • 一次応答で先に立ち上がるのがIgM、遅れて多量に産生され長く持続するのがIgG
  • ヒスタミンの作用は血管拡張・透過性亢進・気管支平滑筋収縮・腺分泌亢進。じん麻疹や喘息発作の症状はすべてここから説明できる。
比較表
クラス構造おもな存在部位特徴
IgG単量体血清(最多)・組織液唯一胎盤を通過、オプソニン作用、補体活性化、二次応答の主体
IgA二量体(分泌型)唾液・涙液・腸液・初乳粘膜局所免疫の主役
IgM五量体血清一次応答で最初に産生、補体活性化能が最強、分子量最大
IgE単量体組織(肥満細胞表面に結合)I型アレルギーの主役、寄生虫感染防御、血中濃度は最少
IgD単量体B細胞表面B細胞の抗原受容体として働く
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