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理由で解く 柔道整復師

QJ26A062 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問62
問題
貪食作用があるのはどれか。
選択肢
1 赤血球
2 好中球
3 血小板
4 Tリンパ球
解答
正解2(好中球)
解説

貪食(食作用)は、白血球のうち好中球と単球/マクロファージが担う自然免疫の最前線である。選択肢のうち貪食するのは好中球

貪食とは、細胞が偽足を伸ばして細菌などの異物を包み込み、ファゴソーム(食胞)として取り込み、リソソームと融合させて活性酸素や加水分解酵素で殺菌・分解する一連の働きをいう。好中球は白血球のなかで最も数が多く、走化性因子に引かれて血管外へ遊走し、感染部位に真っ先に到着して細菌を処理する。処理を終えた好中球は自らも壊れ、その死骸が集まったものが膿である。なお同じ顆粒球でも、好塩基球は貪食せずヒスタミンやヘパリンを放出する細胞であり、食細胞とは区別する。一方、赤血球と血小板は核をもたない細胞・細胞断片で、それぞれガス運搬と止血に特化しており、貪食の装置をもたない。リンパ球のうちT細胞・B細胞は抗原を特異的に認識する獲得免疫の担当で、異物を丸ごと取り込むことはしない(NK細胞は自然免疫を担うリンパ球だが、やはり貪食はしない)。

✓ 2. 正しい
好中球
顆粒球のなかで最も多く、細胞内の顆粒にミエロペルオキシダーゼやリゾチームなどの殺菌物質を蓄えている。細菌感染では最初に動員され、貪食したのち顆粒の内容物で殺菌・分解する。急性炎症でまず増加する血球であり、「貪食=好中球とマクロファージ」と結び付けて覚えるとよい。
✗ 1. 誤り
赤血球
無核でヘモグロビンを満たし、酸素と二酸化炭素の運搬に特化している。貪食する側ではなく、寿命(約120日)を終えると脾臓などのマクロファージに貪食される側である点を押さえておく。
✗ 3. 誤り
血小板
骨髄の巨核球の細胞質がちぎれてできた無核の断片。血管が傷つくと損傷部に粘着・凝集して一次止血栓をつくり、凝固因子や血管収縮物質を放出する。止血が仕事であり、貪食能はもたない。
✗ 4. 誤り
Tリンパ球
胸腺で成熟し細胞性免疫の中心となる。ヘルパーT細胞は免疫応答の司令塔として他の細胞を活性化し、細胞傷害性T細胞はパーフォリンやグランザイムで感染細胞を直接壊す。抗原は抗原提示細胞(マクロファージ・樹状細胞・B細胞)から受け取るのであって、自ら貪食して取り込むわけではない。
ポイント
  • 食細胞は好中球・単球/マクロファージ・樹状細胞(好酸球も弱いながらもつ)。同じ顆粒球でも好塩基球は貪食せず、ヒスタミン・ヘパリンを放出する細胞である。「顆粒球はすべて食細胞」と一括りにしないこと。
  • 好中球は白血球中で最多(およそ40〜70%)。感染部位に最初に到着する速攻部隊で、膿の正体は好中球の死骸である。
  • 赤血球・血小板はいずれも無核で、ガス運搬と止血に特化。免疫には直接関与しない。
  • リンパ球のうちT細胞・B細胞は抗原を特異的に認識する獲得免疫の担当(B細胞は抗体を産生、T細胞は細胞性免疫)。NK細胞は同じリンパ球でも抗原特異的受容体をもたず、感染細胞や腫瘍細胞を非特異的に攻撃する自然免疫の細胞である。
  • 老朽赤血球は脾臓のマクロファージに貪食される。「貪食する側」と「される側」を取り違えないこと。
比較表
血球おもな働き貪食能
赤血球なし酸素・二酸化炭素の運搬なし
好中球あり(分葉核)細菌の貪食・殺菌、急性炎症の主役あり
好酸球あり(二分葉)寄生虫の排除、I型アレルギーの調節弱いながらあり
好塩基球ありヒスタミン・ヘパリンの放出(I型アレルギー)なし
単球/マクロファージあり貪食・抗原提示・老廃物処理あり
血小板なし(巨核球の断片)粘着・凝集による止血、凝固因子放出なし
Tリンパ球あり(円形)細胞性免疫(司令塔・細胞傷害)/獲得免疫なし
Bリンパ球あり(円形)形質細胞へ分化し抗体を産生/獲得免疫なし
NK細胞あり(大型顆粒リンパ球)感染細胞・腫瘍細胞を非特異的に傷害/自然免疫なし
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