学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §7 生殖器系 / QJ26A049

理由で解く 柔道整復師

QJ26A049 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問49
問題
正しいのはどれか。
選択肢
1 卵巣動脈は外腸骨動脈から分枝する。
2 精巣動脈は腎動脈から分枝する。
3 卵巣静脈は左右ともに腎静脈へ流入する。
4 精巣静脈は精索内で精巣動脈の周囲を取り巻く。
解答
正解4(精巣静脈は精索内で精巣動脈の周囲を取り巻く。)
解説

精索の中では蔓状静脈叢が精巣動脈を網目状に取り巻き、対向流熱交換で精巣を冷やす。選択肢4が正しい。

精巣と卵巣は発生初期に後腹壁の高い位置(およそ第2腰椎の高さ)にできるため、その動脈も同じ高さの腹大動脈から直接分かれる(腎動脈のやや下方)。器官が下降しても動脈の起始は動かないので、成人でも精巣動脈・卵巣動脈は腹大動脈からの直接枝である。一方、静脈には左右差があり、右精巣(卵巣)静脈は下大静脈へ直接注ぎ、左精巣(卵巣)静脈は左腎静脈へ入る。左側は合流角がほぼ直角で経路も長く圧が高くなりやすいため、精索静脈瘤は左に多い。精索内では蔓状静脈叢が精巣動脈を取り囲み、上行する静脈血が下行する動脈血の熱を奪う対向流熱交換によって、精巣の温度を体温より1〜2℃低く保つ。造精機能は温度に敏感で、この冷却の仕組みが働かないと精子形成が障害される。

✓ 4. 正しい
精巣静脈は精索内で精巣動脈の周囲を取り巻く。
蔓状静脈叢と呼ばれる網目状の静脈叢が精巣動脈を包み、対向流熱交換で精巣を冷却する。この静脈叢が拡張したものが精索静脈瘤である。
✗ 1. 誤り
卵巣動脈は外腸骨動脈から分枝する。
卵巣動脈は腹大動脈から直接分枝する(腎動脈より下、第2腰椎の高さ付近)。卵巣提索の中を下って骨盤に入る。
✗ 2. 誤り
精巣動脈は腎動脈から分枝する。
精巣動脈も腹大動脈からの直接枝である。腎動脈のやや下方から起こり、腎動脈の枝ではない。
✗ 3. 誤り
卵巣静脈は左右ともに腎静脈へ流入する。
左卵巣静脈は左腎静脈へ入るが、右卵巣静脈は下大静脈へ直接注ぐ。精巣静脈も同じ左右差をもつ。
ポイント
  • 精巣動脈・卵巣動脈は腹大動脈からの直接枝(腎動脈のやや下、L2の高さ)。
  • 静脈は左右差あり。右は下大静脈へ直接、左は左腎静脈へ。
  • 左側の還流条件が不利なため、精索静脈瘤は左に多い。
  • 精索内の蔓状静脈叢が精巣動脈を包み、対向流熱交換で精巣を冷やす。
  • 精巣温度は体温より1〜2℃低く保たれ、これが造精機能の維持に必要。
比較表
血管起始・流入先
精巣動脈・卵巣動脈腹大動脈から直接分枝(左右とも)
右精巣静脈・右卵巣静脈下大静脈へ直接流入
左精巣静脈・左卵巣静脈左腎静脈へ流入
蔓状静脈叢精索内で精巣動脈を取り巻き熱交換を行う
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