学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §7 生殖器系 / QJ27A050

理由で解く 柔道整復師

QJ27A050 解剖学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問50
問題
前立腺で正しいのはどれか。
選択肢
1 尿管で貫かれる。
2 直腸の前方に接する。
3 膀胱の上方に位置する。
4 酸性の液を分泌する。
解答
正解2(直腸の前方に接する。)
解説

前立腺は膀胱のすぐ下、直腸のすぐ前にあります。だから直腸診で後面の大きさや硬さを触れることができます。

前立腺は栗の実大(クルミ大)の腺で、上端(前立腺底)が膀胱頸部に接し、下端(前立腺尖)が尿生殖隔膜に乗ります。前方は恥骨結合、後方は直腸で、その間には直腸膀胱中隔(デノンビリエ筋膜)が介在します。中央を前立腺部尿道が縦に貫き、後上方から入った左右の射精管が尿道後壁の精丘に開きます。分泌するのは乳白色でさらさらした弱アルカリ性の液で、精液の約3割を占め、クエン酸・酸性ホスファターゼ・PSA(前立腺特異抗原)・亜鉛などを含んで精子の運動性を高めます。加齢に伴って尿道に近い内側の部分が肥大すると尿道を圧迫して排尿困難を起こし(前立腺肥大症)、一方で癌は直腸に近い外側の部分に生じやすいため直腸診で触知しやすい、という位置と病態の対応も押さえておきましょう。

✓ 2. 正しい
直腸の前方に接する。
前立腺は直腸のすぐ前方に位置します。この位置関係のおかげで、直腸に指を入れて前壁越しに前立腺の大きさ・硬さ・表面の性状・圧痛を評価する直腸診が成立します。
✗ 1. 誤り
尿管で貫かれる。
前立腺を貫くのは尿道(前立腺部尿道)と左右の射精管です。尿管はその手前、膀胱の後上部で膀胱壁を斜めに貫いて尿管口に終わり、前立腺までは達しません。
✗ 3. 誤り
膀胱の上方に位置する。
前立腺は膀胱の下方にあります。膀胱頸部の直下に接し、そのさらに下が尿生殖隔膜です。上下を逆に覚えると、肥大時に尿道が圧迫されて排尿困難になるしくみが説明できなくなります。
✗ 4. 誤り
酸性の液を分泌する。
前立腺の分泌液は乳白色の弱アルカリ性の液です。精嚢の分泌液とともに精液全体を弱アルカリ性(pH7.2〜8.0前後)に保ち、腟内の酸性環境から精子を守って運動性を保ちます。
ポイント
  • 前立腺の位置=膀胱の下・直腸の前・恥骨結合の後ろ。直腸診で触知できる
  • 前立腺を貫くのは前立腺部尿道と射精管。尿管は貫かない
  • 射精管は前立腺を貫いて前立腺部尿道の精丘に開口する
  • 前立腺液は乳白色・弱アルカリ性で精液の約3割。PSA・クエン酸・亜鉛などを含む
  • 尿道に近い内側の肥大=前立腺肥大症で排尿困難/直腸に近い外側に癌が生じやすい
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