学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §6 診察各論 触診 / QJ25P030

理由で解く 柔道整復師

QJ25P030 一般臨床医学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問30
問題
正常な腹部所見はどれか。
選択肢
1 反跳痛
2 板状硬
3 平坦軟
4 筋性防御
解答
正解3(平坦軟)
解説

正常な腹部は視診で平坦、触診で軟らかく抵抗がないため「平坦軟」と記載する。正答は3。

腹部所見は視診(平坦・膨隆・陥凹)と触診(軟・硬・圧痛)を組み合わせて記載する。正常では腹壁に緊張がなく、深部までスムーズに指が沈み、圧痛も抵抗もない。これに対して腹膜に炎症が及ぶと、腹壁筋が反射性に収縮して腹膜を守ろうとするため筋性防御が生じ、炎症が腹腔全体に広がった汎発性腹膜炎では腹壁が板のように硬くなる板状硬となる。反跳痛は圧迫をゆっくり加えてから急に手を離したときに強い痛みが走る所見で、これも壁側腹膜の炎症を示す。これら腹膜刺激症状が揃う場合は急性腹症として緊急性が高く、施術は行わずただちに救急受診につなぐ判断が求められる。触診は痛みの部位から離れたところから始め、患者に膝を軽く立ててもらって腹壁の力を抜くと、正確に評価できる。

✓ 3. 正しい
平坦軟
視診で腹部が平坦、触診で腹壁が軟らかく圧痛も抵抗もない状態を指し、正常腹部の記載として用いられる。
✗ 1. 誤り
反跳痛
圧迫した手を急に離したときに強い痛みが生じる所見(ブルンベルグ徴候)で、壁側腹膜の炎症を示す腹膜刺激症状である。正常では認めない。
✗ 2. 誤り
板状硬
汎発性腹膜炎で腹壁筋が持続的に強く収縮し、板のように硬くなった状態である。消化管穿孔などの緊急性の高い病態を示唆する異常所見である。
✗ 4. 誤り
筋性防御
触診に対して腹壁筋が反射性に収縮し抵抗を示す所見で、腹膜炎の存在を示す。これも正常ではみられない異常所見である。
ポイント
  • 正常腹部の記載は「平坦軟」。視診で平坦、触診で軟・圧痛なし・抵抗なし。
  • 腹膜刺激症状=反跳痛(ブルンベルグ徴候)、筋性防御、板状硬。いずれも腹膜炎を示唆する。
  • 板状硬は汎発性腹膜炎(消化管穿孔など)で、緊急性が高い。
  • 腹部触診は圧痛部位から遠い部位から始め、膝を立てて腹壁を弛緩させて行う。
  • 腹膜刺激症状を認めたら施術は行わず、ただちに医療機関へつなぐ。
比較表
所見内容意味
平坦軟平坦で軟らかく圧痛・抵抗なし正常
反跳痛圧迫を急に解除すると強い痛み壁側腹膜の炎症
筋性防御触診に対する反射性の腹壁筋収縮腹膜炎
板状硬腹壁全体が板状に硬い汎発性腹膜炎(緊急)
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