学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §10 先天性異常 / QJ25A108

理由で解く 柔道整復師

QJ25A108 病理学概論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問108
問題
女性に多い先天性疾患はどれか。
選択肢
1 血友病A
2 口唇裂
3 ターナー(Turner)症候群
4 先天性風疹症候群
解答
正解3(ターナー(Turner)症候群)
解説

ターナー症候群は性染色体の一方が欠けた45,Xを基本とする染色体異常で、女性にのみ生じます。

先天性疾患に性差が生じるのは、原因が性染色体に関わる場合です。X連鎖(伴性)劣性遺伝の疾患は、X染色体を1本しかもたない男性で発症しやすく、血友病Aやデュシェンヌ型筋ジストロフィー、赤緑色覚異常が代表です。逆にターナー症候群は45,Xという核型そのものが女性型であり、定義上女性にのみみられます。低身長、性腺形成不全による二次性徴の欠如と原発性無月経、外反肘、翼状頸、大動脈縮窄などが特徴で、知能は保たれることが多いとされます。対をなすクラインフェルター症候群(47,XXY)は男性にのみ生じ、高身長と女性化乳房、性腺機能低下を示します。一方、口唇裂のような多因子遺伝の形態異常や、母体感染に由来する先天性風疹症候群は、性染色体に原因がないため女性に偏るとはいえません。

✓ 3. 正しい
ターナー(Turner)症候群
X染色体が1本のみ(45,X)などの核型をとる性染色体異常で、表現型は女性です。低身長、原発性無月経、翼状頸、外反肘がみられ、女性にのみ生じる先天性疾患としてこれが正答です。
✗ 1. 誤り
血友病A
X連鎖劣性遺伝のため、X染色体が1本の男性に発症が集中します。女性は2本のうち片方が正常なら保因者にとどまるのが一般的で、男性に多い疾患です。
✗ 2. 誤り
口唇裂
遺伝素因と環境因子が重なって起こる多因子遺伝の形態異常で、口唇裂(口唇口蓋裂を含む)は男児にやや多いとされます。女性に多い先天性疾患には該当しません。
✗ 4. 誤り
先天性風疹症候群
妊娠初期の風疹ウイルス感染により、白内障・難聴・心奇形をきたす胎内感染症です。原因は母体の感染であり、児の性別による偏りはありません。
ポイント
  • ターナー症候群=45,X。低身長・原発性無月経・翼状頸・外反肘。女性のみ
  • クラインフェルター症候群=47,XXY。高身長・女性化乳房・性腺機能低下。男性のみ
  • X連鎖劣性(血友病A・B、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、赤緑色覚異常)は男性に発症が偏る
  • 多因子遺伝の口唇裂は男児にやや多い。胎内感染による先天性風疹症候群に性差はない
  • 「性染色体が関わるか」を最初に確認すると、性差の有無を素早く判断できる
比較表
疾患成因性差主な所見
ターナー症候群性染色体異常(45,X)女性のみ低身長、原発性無月経、翼状頸、外反肘
クラインフェルター症候群性染色体異常(47,XXY)男性のみ高身長、女性化乳房、性腺機能低下
血友病AX連鎖劣性遺伝男性に多い関節内出血、第Ⅷ因子欠乏
口唇裂多因子遺伝男児にやや多い口唇の癒合不全、哺乳障害
先天性風疹症候群妊娠初期の胎内感染性差なし白内障、難聴、心奇形
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