学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §5 循環障害 / QJ25A098

理由で解く 柔道整復師

QJ25A098 病理学概論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問98
問題
組織・臓器の循環障害で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 充血ーー静脈血が貯留した状態
2 うっ血-流れる血液が過剰な状態
3 血栓一血管の支配領域が壊死した状態
4 虚血-動脈の血液供給が減少した状態
解答
正解4(虚血-動脈の血液供給が減少した状態)
解説

虚血は動脈側からの血液供給が減った状態で、4だけが定義と一致します。ほかの3つは別の用語の説明にすり替わっています。

循環障害の用語は「動脈側で増えるのか、静脈側で滞るのか、供給が減るのか」の3方向で整理すると混乱しません。充血は細動脈が拡張して動脈血の流入が増えた能動的な状態で、局所は鮮紅色で温かく、炎症や運動時にみられます。うっ血は静脈還流が妨げられて静脈血が滞る受動的な状態で、暗赤色・冷感・チアノーゼを伴い、心不全や静脈血栓、圧迫で起こります。虚血は動脈血の供給が減った状態で、蒼白・冷感・疼痛を生じ、完全に途絶えれば梗塞(支配領域の壊死)に至ります。血栓は生きた個体の血管内で血液が凝固してできた塊そのものを指す言葉で、状態ではなく物体を指す点が他と異なります。

✓ 4. 正しい
虚血-動脈の血液供給が減少した状態
動脈硬化や血栓、塞栓、外部からの圧迫、攣縮などで動脈血の供給が減った状態が虚血です。定義そのままの組合せで、これが正答になります。
✗ 1. 誤り
充血ーー 静脈血が貯留した状態
静脈血が貯留した状態は「うっ血」の説明です。充血は細動脈拡張により動脈血の流入が増えた状態で、局所は鮮紅色で温かくなります。
✗ 2. 誤り
うっ血-流れる血液が過剰な状態
血液量が過剰に流入する状態は「充血」の説明です。うっ血は静脈側の流出が妨げられて血液が滞った受動的な状態で、暗赤色・冷感・チアノーゼが特徴です。
✗ 3. 誤り
血栓一血管の支配領域が壊死した状態
支配領域が壊死した状態は「梗塞」です。血栓は血管内でできた血液の凝固塊そのものを指し、それが下流をふさいだ結果として梗塞が生じます。原因(血栓)と結果(梗塞)を分けて覚えます。
ポイント
  • 充血=動脈血の流入増加(能動的)。鮮紅色・温かい
  • うっ血=静脈血の流出障害(受動的)。暗赤色・冷たい・チアノーゼ
  • 虚血=動脈血の供給減少。蒼白・冷感・疼痛、進めば梗塞
  • 血栓は「できた塊」、塞栓は「流れて詰めるもの」、梗塞は「壊死した領域」と、原因と結果を分けて整理する
  • 包帯やギプスの過度な締めつけはうっ血・虚血を招く。指趾の色調・温度・感覚をこまめに確認する
比較表
用語血液の動き局所所見代表的な原因
充血動脈血の流入が増える鮮紅色・温かい・拍動感炎症、運動、発熱
うっ血静脈血の流出が滞る暗赤色・冷たい・浮腫・チアノーゼ心不全、静脈血栓、圧迫
虚血動脈血の供給が減る蒼白・冷たい・疼痛動脈硬化、塞栓、攣縮、圧迫
血栓/梗塞血管内で凝固/下流が閉塞血栓は塊そのもの/梗塞は壊死巣血流停滞、血管内皮傷害、凝固能亢進
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